蛋白コンフォメーションのイン ビボ 画像診断

文献情報

文献番号
200500268A
報告書区分
総括
研究課題名
蛋白コンフォメーションのイン ビボ 画像診断
課題番号
H17-トランス-004
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
工藤 幸司(東北大学 先進医工学研究機構)
研究分担者(所属機関)
  • 谷内一彦(東北大学 医学系研究科 機能薬理学分野)
  • 荒井啓行(東北大学 医学系研究科 先進漢方治療医学)
  • 堂浦克美(東北大学 医学系研究科 創生応用医学研究センター)
  • 岡村信行(東北大学 医学系研究科 機能薬理学分野)
  • 古本祥三(東北大学 先進医工学研究機構 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 基礎研究成果の臨床応用推進研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
70,574,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
アルツハイマー病(AD)において特有の症状が現れる十年以上前から脳に蓄積するアミロイドβという悪玉タンパクに結合するプローブ(低分子化合物)を開発し、 これを標識して生体に静脈内投与して、標識プローブと悪玉タンパクとの結合の程度をPET(陽電子断層撮影装置)を用いて イン ビボ画像診断することによりADの早期ないしは発症前診断が可能となる。 我々の診断法と近年現実化されつつあるADの根本治療薬を組み合わせることにより、診断時点で発症前でさえあればADに陥らせない時代を招来させることが可能となる。結果として国民の医療・福祉の向上、医療経済学的節約に対する貢献は多大なものになるであろう
研究方法
1.主任研究者らによって開発されたAD診断用[11C]標識PETプローブBF-227のAD患者における探索的臨床試験(PET画像撮影)を実施した。
2.より臨床での有用性の高い[18F]標識PET用プローブを開発するために種々の薬理試験を実施した。
結果と考察
1.[11C]標識プローブBF-227の探索的臨床試験
AD患者脳をPETを用いて撮影した結果、[11C] BF-227の脳内集積像は健常者およびAD患者間で明らかな差が見られ、またAD患者においては前頭葉、側頭葉、頭頂葉および後頭葉に高い集積が見られ、AD患者脳病理像(悪玉タンパク蓄積)の空間的分布にほぼ一致することが確認されたことから、同プローブのAD診断における高い有用性が示唆された。
2.[18F]標識プローブの開発
約750化合物をスクリーニングし、化合物の最適化度をアップ中。
結論
1.[11C]標識プローブBF-227のAD診断における高い有用性が示唆された。
2.より臨床での有用性の高い[18F]標識PET用プローブを開発中。

公開日・更新日

公開日
2006-04-10
更新日
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