文献情報
文献番号
200500263A
報告書区分
総括
研究課題名
体外培養の増幅血管内皮前駆細胞移植による虚血性疾患治療に関する基礎・臨床研究
課題番号
H17-トランス-002
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
浅原 孝之(先端医療振興財団)
研究分担者(所属機関)
- 川本 篤彦(先端医療振興財団)
- 増田 治史(東海大学医学部)
- 岩畔 英樹(東海大学医学部)
- 村澤 聡(先端医療振興財団)
- 西村 浩美(先端医療振興財団)
- 木原 康樹(神戸市立中央市民病院)
- 福島 雅典(臨床研究情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 基礎研究成果の臨床応用推進研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
54,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
増幅血管内皮前駆細胞(Endothelial progenitor cell: EPC)の増幅培養技術の確立と、心筋・下肢虚血組織への移植治療技術を開発する。
研究方法
1.基本培養技術の開発:主に東海大学部門において基本培養技術の開発を試みた。ヒト臍帯血単核球採取し、抗体ビーズ法を用いて、CD133陽性細胞(未分化EPC)を単離。CD133陽性細胞のhflt-3、hVEF、hSCF、hTPO、hIL-6無血清培地での培養効率に対する、様々な増殖因子・サイトカイン・ホルモンの影響について検討した。
2.細胞移植治療技術の開発:先端医療センター部門では、特に小動物・大動物による細胞移植治療開発を試みた。ヒト臍帯血由来の培養増幅EPCあるいは末梢血単核球をヌードラットの急性心筋梗塞モデルへ心筋内移植し、機能・組織学的検査を施行した。さらに、新たに建設された大動物実験施設(神戸医療機器開発センター)において、アイビーテック社と共同(一部業務は委託)してブタ心筋虚血モデルの確立に取り組んだ。
(倫理面への配慮)上記の動物実験は、東海大学医学部、先端医療センターおよび理化学研究所の動物実験審査委員会から実施の承認を得た後に開始されている。
2.細胞移植治療技術の開発:先端医療センター部門では、特に小動物・大動物による細胞移植治療開発を試みた。ヒト臍帯血由来の培養増幅EPCあるいは末梢血単核球をヌードラットの急性心筋梗塞モデルへ心筋内移植し、機能・組織学的検査を施行した。さらに、新たに建設された大動物実験施設(神戸医療機器開発センター)において、アイビーテック社と共同(一部業務は委託)してブタ心筋虚血モデルの確立に取り組んだ。
(倫理面への配慮)上記の動物実験は、東海大学医学部、先端医療センターおよび理化学研究所の動物実験審査委員会から実施の承認を得た後に開始されている。
結果と考察
(結果)臍帯血由来のEPCの無血清培養による分化・増幅法による移植細胞の虚血性心疾患に対する有効性が示された。いくつかの因子、たとえばSdf-1、HDAC INHIBITORなどが、EPCの増殖・分化に貢献し、増幅培養に有効なことが確認された。増幅EPCをヌードラット心筋虚血モデルへ移植後4週に、心エコー図による左室機能・組織学的な血管密度の向上、左室線維化の抑制が得られることを確認した。 ブタ左回旋枝へのアメロイドコンストリクター装着による心筋虚血モデルの手術手技は十分に確立でき、術中死亡率は10%未満であった。新たに、慢性期の虚血重症度を検証中である。
(考察)臍帯血由来EPCの無血清培養による分化・増幅法による移植細胞の虚血性心疾患に対する有効性が示された。動物実験結果から、in vivo実験成績(左室機能改善効果)は、in vitroにおけるEPC コロニー形成能)とも非常によく相関しており、本in vitroアッセイ法の有用性が示唆された。今後は大動物実験も進め、臨床試験計画の完成に貢献していきたい。
(考察)臍帯血由来EPCの無血清培養による分化・増幅法による移植細胞の虚血性心疾患に対する有効性が示された。動物実験結果から、in vivo実験成績(左室機能改善効果)は、in vitroにおけるEPC コロニー形成能)とも非常によく相関しており、本in vitroアッセイ法の有用性が示唆された。今後は大動物実験も進め、臨床試験計画の完成に貢献していきたい。
結論
体外培養の増幅EPCが虚血組織内で著明な血管再生能力を示すことを確認した。将来の臨床適用に向けて、今後さらに安全性・有効性を高めるべく研究を推進する必要がある。
公開日・更新日
公開日
2006-04-21
更新日
-