アディポネクチンを標的にした糖尿病・メタボリック症候群の新規診断法・治療法の臨床応用

文献情報

文献番号
200500261A
報告書区分
総括
研究課題名
アディポネクチンを標的にした糖尿病・メタボリック症候群の新規診断法・治療法の臨床応用
課題番号
H17-トランス-003
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
門脇 孝(東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科)
研究分担者(所属機関)
  • 山内 敏正(東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科 )
  • 戸辺 一之(東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科 )
  • 原 一雄(東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科 )
  • 堀越 桃子(東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 基礎研究成果の臨床応用推進研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
43,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我々がインスリン感受性物質であることを明らかにしたアディポネクチン、並びに世界に先駆けて単離・同定したアディポネクチン受容体に関してこれまでに得られた研究成果と、それに基づく特許を最大限活用することによって糖尿病の画期的診断法を確実に開発し、よって活力ある高齢化社会の実現に大きく寄与することを目的とする。
研究方法
HMWアディポネクチンとインスリン抵抗性指標との相関を年齢・性別・BMIで補正した上で相関解析を行う。インスリン抵抗性の指標はHOMA-IR{空腹時血糖(mg/dl)×空腹時インスリン値(U/mL)}を利用する。HOMA-IRが2.5以上をインスリン抵抗性有とした時のインスリン抵抗性診断能についてROC(receiver operator characteristics)曲線下面積を総アディポネクチンとHMWRについて比較する。NCEP-ATPⅢの診断基準の中でウェスト周囲径のカットオフ値を男性で85cm、女性で90cmとした時のメタボリックシンドロームの診断能について、ROC(receiver operator characteristics)曲線下面積を総アディポネクチンとHMWRについて比較する。
結果と考察
HOMA-IRが2.5以上をインスリン抵抗性有としたときのインスリン抵抗性の診断に対するROC曲線を描出したところ、総アディポネクチンに比してHMWRの曲線下面積が大きく、HMWRが総アディポネクチンに比してもインスリン抵抗性の診断能が高いことが明らかになった。メタボリックシンドロームの診断能についても、総アディポネクチンに比してHMWRの曲線下面積が有意に大きく、HMWRが総アディポネクチンに比してもメタボリックシンドロームの診断能が高いことが明らかになった。
結論
本研究によって製品化されたキットは、臨床検査会社(SRL)に販売され、全国の医療機関からの測定依頼に対応することが可能となっている。今後は、本製品で測定したHMWアディポネクチン並びにHMWRとグルコースクランプ法によって測定された正確なインスリン抵抗性の指標、メタボリックシンドロームの診断において必須項目となっているウェスト周囲径との相関などについて基礎的データを集積した上で、保険適応を目指す。

公開日・更新日

公開日
2006-04-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-09-27
更新日
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