文献情報
文献番号
200500256A
報告書区分
総括
研究課題名
WT1癌抗原ペプチドを用いた癌の免疫療法の開発
課題番号
H16-トランス-003
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
杉山 治夫(大阪大学大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
- 川瀬 一郎(大阪大学大学院医学系研究科 )
- 野口 眞三郎(大阪大学大学院医学系研究科 )
- 奥村 明之進(大阪大学大学院医学系研究科 )
- 門田 守人(大阪大学大学院医学系研究科 )
- 村田 雄二(大阪大学大学院医学系研究科 )
- 奥山 明彦(大阪大学大学院医学系研究科 )
- 吉川 秀樹(大阪大学大学院医学系研究科 )
- 吉峰 俊樹(大阪大学大学院医学系研究科 )
- 田野 保雄(大阪大学大学院医学系研究科 )
- 久保 武(大阪大学大学院医学系研究科 )
- 片山 一朗(大阪大学大学院医学系研究科 )
- 福澤 正洋(大阪大学大学院医学系研究科 )
- 中村 仁信(大阪大学大学院医学系研究科 )
- 畑澤 順(大阪大学大学院医学系研究科 )
- 上甲 剛(大阪大学大学院医学系研究科 )
- 青笹 克之(大阪大学大学院医学系研究科 )
- 坂本 純一(京都大学大学院医学研究科)
- 森田 智視(京都大学大学院医学研究科)
- 安川 正貴(愛媛大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 基礎研究成果の臨床応用推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
45,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
改変型WT1ペプチド(CYTWNQMNL)3.0 mg / body、毎週1回、計12回の投与の安全性(第Ⅰ相)と有効性(第Ⅱ相)を明らかにすること
研究方法
(1) WT1を発現している白血病及び固形癌
(2) HLA-A*2402
(3) 年齢16-80才
(4) PS 0-2
(5) 他に治療法がないか、本人が希望した
患者に対して改変型WT1ペプチドを Montanide ISA51アジュバントとともに3.0 mg / body、週1回、計12回、皮内注射した。
(2) HLA-A*2402
(3) 年齢16-80才
(4) PS 0-2
(5) 他に治療法がないか、本人が希望した
患者に対して改変型WT1ペプチドを Montanide ISA51アジュバントとともに3.0 mg / body、週1回、計12回、皮内注射した。
結果と考察
合計100人の癌患者にWT1ワクチンを投与した。第I/II相臨床試験の、第Ⅰ相部分に登録された適格患者10例の解析を行い、本投与スケジュール(1回投与量: 3.0mg)による改変型WT1ペプチド免疫療法(WT1ペプチド毎週投与療法)の安全性を評価した。第Ⅰ相に関する安全性評価期間として定められた治療開始以後4週間以内において、NCI-CTC基準によるGrade 3あるいは4の毒性発現は観察されていない。Grade 2の毒性としては、Hb減少1例、ALT上昇2例、Alb減少1例、尿潜血1例、血糖上昇2例、Grade1の毒性については、ALP上昇1例、尿蛋白1例がみられたが、これらの有害事象すべてが安全性効果評価委員により本治療との関連性はないとの判定がなされた。以上の結果より、WT1ペプチド毎週投与療法の安全性が確認された(JJ Clin Oncol, in press)。現在、多くの患者はPS 0-2であってもPS 3に近い進行癌の人が多く、免疫増強がおこり、臨床効果が出るまでの時間的余裕のない患者が多く、そのため完遂率は、62.8%と低かった。グリオブラストーマ患者においては、disease control rateが64.7%で、生存の延長も見られ、満足すべき効果と考えられた。PS 0-1の一般状態のよい患者を選択することにより臨床効果を高められると考えられる。
結論
①改変型WT1ペプチド3.0mg/body、毎週1回の投与は、安全性に問題がない。第Ⅱ相臨床試験として症例を増やし有効性を明らかにしたい。
② WT1ワクチンを投与された進行癌患者にPR症例やSD症例が出現し、WT1ワクチンの臨床的有効性がconfirmされつつある。グリオブラストーマに対しては、特に臨床効果が高いと考えられる。
② WT1ワクチンを投与された進行癌患者にPR症例やSD症例が出現し、WT1ワクチンの臨床的有効性がconfirmされつつある。グリオブラストーマに対しては、特に臨床効果が高いと考えられる。
公開日・更新日
公開日
2006-04-28
更新日
-