ハイリスク胎児の子宮内手術におけるナノインテリジェント技術デバイスの開発研究

文献情報

文献番号
200500253A
報告書区分
総括
研究課題名
ハイリスク胎児の子宮内手術におけるナノインテリジェント技術デバイスの開発研究
課題番号
H17-フィジ-006
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
千葉 敏雄(国立成育医療センター特殊診療部)
研究分担者(所属機関)
  • 土肥 健純(東京大学大学院情報理工学系研究科)
  • 佐久間一郎(東京大学大学院新領域創成科学研究科)
  • 下山 勲(東京大学大学院情報理工学系研究科)
  • 伊関 洋(東京女子医科大学大学院先端生命医科学研究所)
  • 藤江正克(早稲田大学理工学部機械工学科)
  • 望月剛(アロカ株式会社研究所)
  • 日高恒夫(ペンタックス株式会社)
  • 岡 潔(独立行政法人日本原子力研究開発機構産学連携推進部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 身体機能解析・補助・代替機器開発研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
64,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ハイリスク胎児への子宮内手術を安全確実なものとすることで、その周産期予後を向上せしめ、患児の長期的QOLの改善と医療費低減を目的とする。そのために我々は、現在の技術的問題を乗り越える低侵襲子宮内手術をめざし、医師の身体的限界(視覚、動作など)をカバーするための機能的補助・代替機器の開発を行う。具体的には、双胎間輸血症候群のレーザー治療、胎児脊髄髄膜瘤修復術を対象とした手術支援システムの開発を行う。
研究方法
(1)レーザー治療デバイスとしては、治療用レーザー光と内視鏡画像を1本の光ファイバーで伝送しうる複合型光ファイバーを開発する。(2)ナノ技術センサーデバイスとしては、術中・術後の胎児モニタリングを行う体内埋め込み型の生理データ計測デバイスを開発する。(3)マイクロ手術ロボットでは、子宮内患部にあらゆる方向からアプローチをしうる細径多自由度手術ロボットを開発する。(4)術中画像誘導支援システムとしては、細径三次元斜視内視鏡、観察部深部のMRI画像を取得する高分解能マイクロMRIを先端に搭載した内視鏡、術具操作補助情報を提示する画像誘導ナビゲーションの開発を行う。
結果と考察
(1)レーザー治療デバイスでは、径2.2mmの複合型光ファイバーを開発し、患部を視野中心においたレーザー治療を可能にした。 (2)ナノ技術センサーデバイスでは、小型の反射型パスルオキシメーターにて、組織深部の動脈血酸素飽和度検出の見通しを得た。(3)マイクロ手術ロボットとしては、レーザー搭載も可能な多自由度手術ロボット(直径3.5mmと2.4mm)を開発した。(4)術中画像誘導支援システムとしては、外径5.9mmの三次元斜視内視鏡の製作を進めている。また、内視鏡先端に搭載可能なMRIコイルを開発し、その特性を検討した。さらに限局的な内視鏡画像から広域的画像を再構築する画像処理技術、術具と患部の接近状態を音と色調の変化で警告する近接覚ナビゲーション技術、更に、三次元超音波装置から外部PCへのリアルタイムデータ転送を進めた。
結論
本年度は、子宮内手術支援システムに必要な各要素技術を開発した。今後は、それらの小型化・高機能化・高精度化およびリアルタイム性向上に重点的に取り組んでゆく。

公開日・更新日

公開日
2006-04-10
更新日
-