人間・機械・情報系の融合複合新技術サイバニクスを駆使したロボットスーツHALの開発

文献情報

文献番号
200500252A
報告書区分
総括
研究課題名
人間・機械・情報系の融合複合新技術サイバニクスを駆使したロボットスーツHALの開発
課題番号
H17-フィジ-005
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
山海 嘉之(筑波大学 大学院システム情報工学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 葛岡 英明(筑波大学 大学院システム情報工学研究科)
  • 長谷川 泰久(筑波大学 大学院システム情報工学研究科)
  • 居村 茂幸(茨城県立医療大学 保健医療学部・大学院保健医療科学研究科)
  • 中島 孝(新潟病院 臨床研究部 副院長)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 身体機能解析・補助・代替機器開発研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
52,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
超高齢化社会に突入する我国にとって高齢者運動機能障害者への対策は、極めて重要な課題である。我々は、世界に先駆けて人間の意思通りに身体運動機能を拡張し増幅する下肢用「ロボットスーツ」(試験装置)を開発してきた。当該研究では、人間・機械・情報系を融合複合した新しい学術「サイバニクス」技術を駆使して、特に病院/施設での臨床レベルの活用を視野に入れ、運動機能を拡張・増幅・補助することができるロボットスーツHAL(Hybrid Assistive Limb)を完成させ、これを実用化することを目的とする。
研究方法
当該年度で実施する研究開発項目に関し、その研究方法を以下に示す。
1)ロボットスーツ用小型パワーユニットの開発
小型制御用パワーユニットの開発を行うため、適用を想定する装着者の運動データ、生理データを計測・解析し、臨床現場での動作支援に必要なパワーユニットの仕様を決定する。

2)分散化機能の開発
病院/施設でのロボットスーツの使用を簡単に行えるようにするため、ロボットスーツの分離型構造にする。装着者の症状に応じて運動支援を実施するため各関節の動作支援を基本とする分散化機能を開発する。

3)自律的制御機構の開発
本年度は生体信号が安定に検出できない、あるいは全く件検出できない下半身麻痺患者の自立支援を想定し、病院/施設での歩行、立ち座り動作を補助する自律的制御機構の開発を行う。
結果と考察
1)ロボットスーツ用パワーユニットの開発
従来の実用試作機と比べ、厚さおよび重量を大幅に減少させることに成功し、さらに出力も向上させることができた。また、パワーユニット内部の周辺温度・電流量をモニタすることで、安全性を向上させることに成功した。

2)ロボットスーツの分散化機能・分離機構の開発
関節部位ごとに計測制御システムのユニット化を行い、各関節ごとに動作支援を可能にする分散化機能を実現した。

3)自律的制御機構の開発
人間の動作解析により下肢動作をいくつかの基本動作となるPhaseに分解し,それらを遷移させながら実行することで下肢動作を行うPhase Sequence手法を用いた自律機能を開発した。
結論
当該年度は病院/施設での臨床レベルの活用を考慮したロボットスーツの開発を行った。主に、小型パワーユニットの開発、分散化機能、自律的制御機構の研究開発を実施し、臨床的実験で活用可能なシステムを構築することができた。

公開日・更新日

公開日
2006-08-01
更新日
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