1施設1台:富山の常備薬型補助人工心臓の実用化

文献情報

文献番号
200500250A
報告書区分
総括
研究課題名
1施設1台:富山の常備薬型補助人工心臓の実用化
課題番号
H17-フィジ-003
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
梅津 光生(早稲田大学 理工学術院)
研究分担者(所属機関)
  • 岩崎 清隆(早稲田大学 生命医療工学研究所 )
  • 夜久 均(京都府立医科大学 )
  • 村山 雄一(慈恵会医科大学)
  • 白石 泰之(東北大学加齢医学研究所)
  • 田村 泰一(早稲田大学 アジア太平洋研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 身体機能解析・補助・代替機器開発研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
16,209,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
短期間使用や緊急時使用に備えた低価格で手軽な補助心臓,すなわち1施設1台:富山の常備薬のような全世界的にも試みがない補助心臓開発の第一歩として,本研究の妥当性を文献調査し,第1年次はオーストラリアで開発された旋回渦流型拍動血液ポンプ(Spiral Vortex Pump;以下SV Pump)のデザインを基に再設計したポンプの安定量産製作技術の確立を目指す.
研究方法
研究方法としては 1)大量生産システム確立に向けた技術的検討 2)大量生産によるポンプの性能評価 3)ポンプの耐久試験4)血液適合性試験に分けられる.具体的には,真空成形法と高周波ウェルダー溶着法を駆使することで量産製作を試み,その技術の下に製作されたポンプの水力学的特性と耐久性を評価した.なお,動物実験は未だ行なっておらず,血液適合性試験に用いた血液は屠殺場から購入したウシの新鮮血液であるので,倫理的な問題は生じない.
結果と考察
真空穴を設けた金型の最適設計を行い,熱可塑性のポリウレタンシートの加熱温度と加熱時間・真空圧力条件の調節により,ほぼ均質な安定生産が実現できた.また,二次成形という接着面の肉厚を均一にする工程を接着前の過程に加えることでより強固で確実な接着を実現できた.さらに,十分なポンプ拍出流量を得られることが確認でき,耐久性についても,2週間程度の耐久性を保証できた.これを実用化することで新しい医療に対して複数の選択肢を提供することになると考えられる.
結論
オーストラリアで開発された旋回渦流型拍動血液ポンプの安定定量化技術を確立し,その水力学的性能を調べたところ十分なポンプ性能を有していることがわかった.また,血液適合性は,耐久性ともに目標性能に達していることが確認された.

公開日・更新日

公開日
2006-04-27
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-09-27
更新日
-