高齢者の大腿骨頚部骨折等の治療を支援する高精度手術支援システム開発研究

文献情報

文献番号
200500249A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢者の大腿骨頚部骨折等の治療を支援する高精度手術支援システム開発研究
課題番号
H17-フィジ-007
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
中村 耕三(東京大学医学部附属病院 整形外科・脊椎外科)
研究分担者(所属機関)
  • 越智 隆弘(国立相模原病院 )
  • 土肥 健純(東京大学大学院 情報理工学系研究科)
  • 佐久間 一郎(東京大学大学院 工学系研究科 )
  • 光石 衛(東京大学大学院 工学系研究科)
  • 大西 五三男(東京大学医学部附属病院 整形外科・脊椎外科)
  • 菅野 伸彦(大阪大学大学院 医学系研究科 整形外科)
  • 中島 義和(東京大学大学院 工学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 身体機能解析・補助・代替機器開発研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
56,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
高齢者の大腿骨頸部骨折などの下肢骨折の骨接合手術を最小侵襲、安全・正確に、少人数の医療チームでも行える高精度骨折整復および骨接合術支援システムの開発研究を行う。骨折部位の三次元画像を術前に取得し、解析モデルを作成、シミュレーションによる整復・手術プログラミング、および介達的にまたは直達創外固定してプログラム通りの操作により自動整復するナビゲーション連動骨折整復システムおよび高精度骨接合術支援システムにより術前計画どおり最小侵襲で骨接合手術を行い、かつ医療現場の作業効率および環境安全性を高める統合システムの開発研究を行う。
研究方法
自動骨折整復パスの作成を行った。画像計測と整復支援装置制御を行うソフトウェアの1次試作を行い、動作の確認を行った。介達式整復支援装置において、1次試作を行い、動作の確認を行った。直達式骨折装置の開発として創外固定ピンを介して牽引・回旋力を直接骨片に与え、骨折を整復する装置を設計製作した。また大腿骨頸部の強度を高精度で予測する有限要素法解析モデルを応用し、高精度の骨接合術シミュレーションを行う方法を開発した。
結果と考察
骨折整復パスによって整復不良になる症例があったが、これに対する対策を講ずる必要がある。特に骨密度が低く複雑骨折の場合に対応できる自動整復のパスを考案する。整復支援装置の開発においては今年度に引き続き実験データ結果を整復支援装置へフィードバックする。ハードウェアの開発として(1)軸モータ機構設計(2)キャスター機構の変更(3)手術台連結アームの収納機構設計(4)漏れ電流低減の為の電装系設計の実施、ソフトウェアについては(1)動的重力キャンセルアルゴリズムの実装(2)パワーアシストアルゴリズムの改良、また直達式整復支援装置の治具の詳細設計と試作の完了を行う。骨接合術支援装置の開発では、(1)患者固有の骨モデルと3DCADインプラントを用いた骨接合術シミュレーションを骨折例において実施できるソフトウエアの開発(2)高精度骨接合術のための術前計画法の作成(3)高精度骨接合術のためのガイダンスシステムの検討を行う。
結論
自動整復パスおよび高精度骨接合術計画法開発では年次計画どおりに進行した。直達式整復支援装置は1次試作を完了し、介達式では整復装置連結部の1次試作が完了した。整復支援装置の制御でも1次試作が完了した。

公開日・更新日

公開日
2006-05-22
更新日
-