包括的支払方式における看護業務量測定に関する研究

文献情報

文献番号
199700022A
報告書区分
総括
研究課題名
包括的支払方式における看護業務量測定に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
開原 成允(国立大蔵病院長)
研究分担者(所属機関)
  • 筒井孝子(国立公衆衛生院)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生行政科学研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
1,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究は、急性期病院に入院している患者の看護量の測定と患者の状態に応じて必要な看護量を推測する方法を最終目的としている。この目的を達成するためには看護量を測定するためのツールの開発とを看護量の多少を推測するための指標となる患者の状態を分類する情報の集積が必要である。本年度の研究では、急性期及び慢性期病院の看護量把握に利用可能な「看護業務分類コード(試案)」を提出し、適用状況を検討する。同様に患者のアセスメントについても、エキスパートナースらのヒアリング調査を基に多様な病院で利用可能なアセスメント(試案)を作成することを目的とするものである。
研究方法
従来、わが国で行われてきた看護業務量調査の先行文献を収集し、看護業務に関するコードのデータベースを作成した。これらのデータベースに収集されている看護業務内容で単位時間が1分未満の内容として考えられるものを抽出し検討を行った。また、看護量調査を行った急性期病院の看護婦や調査集計業務を行った担当者に対してのヒアリング調査を行った。
さらに看護婦による他計式の1分間タイムスタディ法を採用し、いわゆる「日勤・準夜勤・深夜勤」の三交代制を採用している聖路加国際病院、虎の門病院、厚生中央病院、日大板橋病院、済生会向島病院、武蔵野日赤病院の6病院を対象に看護業務内容調査を実施した。
また、患者アセスメントについても、上記病院において、タイムスタディ調査対象となった看護婦が接した患者全員に行った。
結果と考察
本年度の研究により、第一に、看護婦が記述可能なアセスメント項目を用いて患者の状態を把握できるか調査を基に検討した結果、妥当性の高い「患者アセスメント票」を完成された。第二に、看護の業務量、内容についての測定手法を一般化するための測定マニュアル等のツールが整備された。第三に、測定のためのツールとして「看護業務分類コード」を使用した調査を実施し、一般化可能なコードが新たに作成された。これらの成果を用いることによって、看護業務量を正確に把握するための方法論が確立したと考えられる。
結論
本年度の研究で「患者アセスメント票」、ならびに「看護業務分類コード」の妥当性が明らかになったことから、今後は、新たに調査病院を増やし、看護業務分類コード別看護量(時間)のデータ、ならびに患者の属性に関するデータをより多く収集することが必要である。これらのデータを解析できる程度、収集されることで急性期病棟に入院している患者に対する看護量別の患者分類についての資料が得られるものと考えられる。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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研究報告書(紙媒体)