文献情報
文献番号
200500244A
報告書区分
総括
研究課題名
迅速・簡便・超高感度な新規SNPs検出法による薬剤応答性遺伝子診断システムの開発
課題番号
H17-ファマコ-005
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
藤原 一彦(住友ベークライト株式会社バイオ製品開発プロジェクトチーム)
研究分担者(所属機関)
- 猪子 英俊(東海大学医学部)
- 森川 實(ジェノダイブファーマ株式会社)
- 木下 健司(住友ベークライト株式会社バイオ製品開発プロジェクトチーム)
- 横山 兼久(住友ベークライト株式会社バイオ製品開発プロジェクトチーム)
- 藤本 健太郎(住友ベークライト株式会社バイオ製品開発プロジェクトチーム)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【ファーマコゲノミクス分野】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
45,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究課題では、住友ベークライトの基板を用いて開発したMPEX法(基板上でのプライマー伸長法)による、ベータ遮断薬や抗血栓薬などの薬物応答性遺伝子が診断出来るシステムを開発することを最終目標としている。本年度は、MPEX法における種々の条件検討を行い、基礎的な知見を得て、MPEX法による遺伝子検出のより迅速・簡便化を図り、本MPEX法の実用化へ向けて基盤技術を確立すること、および生体サンプルによる遺伝子検出性、さらにはSNPsの検出性についての基礎的な知見を得ることを、研究目的とした。
研究方法
迅速・簡便化のために、MPEX法における一定温度でのプライマー伸長反応条件の確立検討および、蛍光色素によらない酵素系での発色反応を用いた可視化によるシグナル検出方法の検討を行った。さらにMPEX法におけるプライマー伸長反応に関する各パラメーターの、シグナル強度および反応速度への影響について検討を行った。さらに、生体サンプルを用いた、MPEX法による遺伝子検出性確認の検討のため、MPEX法による菌の同定をおこなった。さらにヒト血液試料を用いて、ある薬物応答に関わるSNPs検出のための基礎検討を行った。
結果と考察
本MPEX法では、プライマーの伸長反応において従来PCRに準じたヒートサイクルが必要であったが、本研究の結果、一定温度での反応条件を確立することが出来た、さらに可視化によるシグナル認識を可能とすることが出来た。さらに本MPEX法の諸条件の検討により検出時間の大幅な短縮を図ることが出来た。これらの結果は、ベッドサイドでの遺伝子検出の可能性を示唆するものである。また、MPEX法による菌の同定が可能であることを確認し、さらにヒト血液試料から、ある薬物応答性に関連するSNPsの検出を行った。精度および感度についてさらに検討する必要があるが、本MPEX法は原理的にSNPsの検出に適しており、プライマーの設計およびプライマー伸長条件の最適化により、SNPsを高精度かつ高感度での検出を達成できると考える。
結論
MPEX法による遺伝子検出のための基礎検討を実施、本方法の諸条件の最適化、検出時間の大幅な短縮、可視化検出法を確立し、さらに本方法によるSNPsの検出が可能であることを確認した。今後の課題として、SNPs検出精度の向上、高感度化についてさらに検討を行っていく。
公開日・更新日
公開日
2006-04-11
更新日
-