文献情報
文献番号
200500241A
報告書区分
総括
研究課題名
インスリン分泌促進型経口糖尿病薬の薬物応答関連遺伝子の多型探索及びそのテーラーメイド投薬への応用
課題番号
H17-ファマコ-004
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
斎藤 嘉朗(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
- 安田 和基(国立国際医療センター研究所 )
- 埴岡 伸光(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【ファーマコゲノミクス分野】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
58,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
インスリン分泌促進型経口糖尿病薬、特にスルホニルウレア剤(SU剤)の薬効最適化とその持続・副作用低減化を目的として、患者毎の遺伝子型に基づく投薬法を確立する。具体的には、血糖コントロールの不良や合併症の増加に関連する一次無効および二次無効発現リスク群の予測、及び副作用発現の予測法を確立する。
研究方法
一次無効・副作用との相関解析用に、グリメピリド投与患者の臨床パネルを作成し、そのゲノムDNAにつき、薬効・薬物動態関連分子群の多型をシーケンシングにて解析した。また、見いだした新規多型については異型cDNA発現系を用いて野生型及び変異型酵素を発現させ、インビトロで活性変化を測定した。一方、二次無効との相関解析用には、SU剤二次無効群と対照群に分けて臨床パネルを作成し、その臨床情報を解析すると共に、シーケンシング・タイピングによる候補遺伝子多型解析及びDNAチップによる網羅的遺伝子多型解析を行った。また新規候補遺伝子探索のため、各種SU剤でラット膵β細胞株を長時間処理し、発現変化の見られる遺伝子をDNAチップにて網羅的に探索した。
結果と考察
一次無効・副作用との相関解析では134例につき、4種の薬効・薬物動態関連分子の遺伝子多型の同定・ハプロタイプの推定を行い、ハプロタイプと薬効指標・副作用情報との相関解析を開始した。また本解析に利用するため、CYP2C9及びCYP2C19で同定したアミノ酸置換を伴う9種の新規多型につき、インビトロ機能解析を行い、6種で酵素活性の低下・消失を確認した。
二次無効との相関解析では、二次無効群と対照群、計85例の臨床パネルを作成した。その臨床情報を解析した結果、二次無効群では糖尿病家族歴陽性率が高く、また細小血管障害の発症率や増悪率が高い傾向にあった。これらの検体につき数種のインスリン分泌維持に重要と思われる遺伝子群の多型同定とハプロタイプの推定、並びに一部はタグ多型タイピング系の開発を行った。さらに他の遺伝子の既知多型も含め、検体を用いた多型タイピングを行った。またゲノム網羅的遺伝子多型解析も開始すると共に、新規候補遺伝子探索では、薬剤間で発現誘導が異なる遺伝子を見いだしている。
二次無効との相関解析では、二次無効群と対照群、計85例の臨床パネルを作成した。その臨床情報を解析した結果、二次無効群では糖尿病家族歴陽性率が高く、また細小血管障害の発症率や増悪率が高い傾向にあった。これらの検体につき数種のインスリン分泌維持に重要と思われる遺伝子群の多型同定とハプロタイプの推定、並びに一部はタグ多型タイピング系の開発を行った。さらに他の遺伝子の既知多型も含め、検体を用いた多型タイピングを行った。またゲノム網羅的遺伝子多型解析も開始すると共に、新規候補遺伝子探索では、薬剤間で発現誘導が異なる遺伝子を見いだしている。
結論
SU剤の一次無効・副作用及び二次無効発現と相関する多型を見いだすため、臨床パネルの作成、遺伝子多型解析、新規候補遺伝子探索を進めた。薬物代謝酵素活性を低下させる新規多型を数種見いだした。
公開日・更新日
公開日
2006-04-18
更新日
-