医療費の季節調整手法に関する研究

文献情報

文献番号
199700021A
報告書区分
総括
研究課題名
医療費の季節調整手法に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
伏見 恵文(年金福祉事業団)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生行政科学研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
1,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療の構造改革を進めることが政策的課題となっている中、医療費の動向を迅速かつ正確に把握することは極めて重要である。医療費の変動には一定の季節変動があることから、現在、毎月の医療費の動向は対前年同期比で把握されているが、各種経済統計にみられる季節調整を行うことができればより詳細な分析が可能となる。本研究はそのようなニーズに対応した季節調整の手法の開発を目的とする。
研究方法
?分析の対象となる医療費の時系列データの入手、?時系列データの基礎的分析(インフルエンザの影響の除去等)、?適用するモデル、手法の検討(文献サーベイ、研究協力者との協議)、?実際のデータに基づく季節調整結果の算出及びその評価(プログラム作成、コンピュータ上におけるシミュレーション)、?報告書の作成。
結果と考察
医療費に大きな影響を与えるインフルエンザの流行状況についてあらかじめ補正を行った医療費を対象に季節調整を行うことについて検討を行った。制度の違いによる影響を除くため、被用者保険本人・家族、国保一般・退職、老人のそれぞれについて、入院+食事、入院外+調剤、歯科別に分析を行った。移動平均による季節調整法を中心に検討を行ったが、この方法を適用するためには、データの構造を反映した数学的モデルを構築することが必要である。ここでは、その数学的モデルとして、ARIMAモデルを採用して分析を行った。なお、このARIMAモデルには、いくつかのパラメータが存在するが、この選択に当たっては、実際の医療費データにモデルを適用したときに最も誤差の小さいものを採用した。上記の方法で季節調整を行った結果、原系列医療費の変動が実質変動部分と季節変動部分に分解された。
結論
季節変動部分をグラフ化してみると、かなりの程度、1年を周期とする繰り返しパターンとなっており、季節変動の調整をある程度行うことができたものと考えられる。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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研究報告書(紙媒体)