トキシコゲノミクスのための遺伝子ネットワーク解析法の開発

文献情報

文献番号
200500236A
報告書区分
総括
研究課題名
トキシコゲノミクスのための遺伝子ネットワーク解析法の開発
課題番号
H17-トキシコ-011
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
奥野 恭史(京都大学薬学研究科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【トキシコゲノミクス分野】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、薬物標的分子や毒性原因遺伝子などの単一遺伝子(タンパク質)を対象にした従来の解析手法から逸脱し、化合物による生体系への影響を薬物作用遺伝子群や毒性関連遺伝子群の遺伝子発現ネットワーク(分子ネットワーク)の変動として解析する高精度な薬物安全評価アルゴリズムの開発と実用化を目的としている。すなわち、化合物を作用させた各種細胞のDNA マイクロアレイ実験による網羅的遺伝子発現データから、バイオインフォマティクス手法によって薬物毒性特有の遺伝子発現ネットワークを構築し、薬物毒性を反映する遺伝子ネットワークのパターンとして薬物安全性を評価するトキシコゲノミクス計算法の確立を目指す。
研究方法
基準細胞と基準薬物の選択として、GPCR-薬物相互作用データベースの開発をした。マクロアレイ実験データの収集として、HepG2細胞及びトログリタゾンを用いたマイクロアレイ実験を行った。また。遺伝子ネットワーク解析法のプロトタイプ開発として、グラフィカルガウシャンモデリング手法を開発した。
結果と考察
ヒト肝細胞への糖尿病薬作用におけるマイクロアレイ実験データの収集、および薬物とタンパク質との相互作用データベースの構築はすでに完了した。また、遺伝子ネットワーク構築手法として、ベイジアンネットワーク法とグラフィカルモデリング手法の開発に着手し従来手法よりも高性能なプロトタイプの開発にも成功した。
結論
①基準細胞と基準薬物の選択
トキシコゲノミクスのインフォマティクス基盤となる、薬物とタンパク質との相互作用データベースGLIDAを開発し、http://gdds.pharm.kyoto-u.ac.jp/services/glidaより公開した。
②マクロアレイ実験データの収集
HepG2細胞及びトログリタゾンを用いた解析から、トキシコゲノミクスのための遺伝子ネットワーク解析アルゴリズム開発を確立する上で基礎となる網羅的な遺伝子発現データを取得し、毒性発現に強く関与することが示唆される遺伝子群を同定した。
③遺伝子ネットワーク解析法のプロトタイプ開発
遺伝子ネットワーク構築手法として、ベイジアンネットワーク法とグラフィカルモデリング手法の開発に着手し従来よりも高性能なプロトタイプの開発にも成功した。

公開日・更新日

公開日
2006-04-07
更新日
-