生体内超音波ナノ・イメージング法の開発

文献情報

文献番号
200500210A
報告書区分
総括
研究課題名
生体内超音波ナノ・イメージング法の開発
課題番号
H17-ナノ-001
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
西條 芳文(東北大学加齢医学研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【ナノメディシン分野】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究プロジェクトの最終目的は、周波数1.2GHzの超音波を生体組織上で2次元スキャンし、組織表面からの超音波の反射強度の違いを画像化することで、解像度800ナノメートルの生体内超音波ナノ・イメージング方法を開発することである。平成17年度には装置のプロトタイプを作製することを研究目的にした。
研究方法
ナノテクノロジーを応用したセラミック微細加工技術により、中心周波数500MHz周波数帯域800MHzに達する高周波数用超音波振動子の設計および試作を行う。また、高速スイッチング半導体を用いて、繰り返し速度10kHz、パルス立ち上がり時間200ps以下、パルス幅500ps以下、パルス高さ50Vの高速パルス発生器を製作する。さらに走査精度50ナノメーターのリニアモーターをx方向とy方向に組み込むことで、超音波振動子の小型走査装置を作製する。これらのパーツを統合し制御を行うことで、従来の超音波顕微鏡に勝るイメージングシステムの開発を行う。
結果と考察
平成17年度の研究計画はほぼ予定通りに進捗し、システムの設計、超音波振動子の試作、超音波パルス発生器の試作、走査装置の試作、基本性能の評価が可能であった。具体的には、サンプリング周波数20ギガサンプル/秒のデジタルオシロスコープにより超音波の受信および波形の解析を行い、スライドガラス上に載せた生体試料について解像度の評価を行った。1画面につき300x300ピクセルで600x600ミクロンの範囲の走査およびイメージングを行い、2ミクロン相当の画像解像度まで実現された。組織の観察対象として、摘出冠動脈、心筋、食道がん、胃がん、乳がん組織などのイメージングを行い、動脈硬化組織と正常冠動脈、がん組織と正常組織などの鑑別が可能であった。
結論
生体内超音波ナノ・イメージング装置のプロトタイプが完成し、生体組織の観察が可能であった。次年度以降はこのプロトタイプを改造することで、本プロジェクトの最終目的を達成することが可能である。

公開日・更新日

公開日
2006-04-10
更新日
-