医薬品等輸入申請に係るインターフェース化の研究

文献情報

文献番号
199700018A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品等輸入申請に係るインターフェース化の研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
神沼 二眞(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生行政科学研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
1,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医薬品等を輸入する者は、関税法の規定により輸入許可等を受けていることを証明する必要がある。また薬事法及び毒物劇物取締法に基づく輸入許可を受けていない個人が一定数量以上の医薬品等を輸入する場合は、輸入行為ごとに厚生省への確認申請を行わねばならない。特に近年、厚生省の確認を要する輸入に関して輸入手続きの簡素化及び迅速化が(規制緩和推進計画、経済構造の変革と創造のためのプログラム等で)強く求められている。これらの要請に応えるため、コンピュータを用いた業務処理への移行を検討することが目的である。この際、既に電算化されている他の輸入業務処理への移行を考慮するものとする。
研究方法
コンピュータによる業務処理への移行を考慮するためには、(1)本省のヒアリング等による現行の医薬品等の輸入手続き業務の分析、(2)電算化に移行するためのコンピュータおよびネットワーク関連技術の検討、(3)上記を踏まえた業務のコンピュータ化のイメージの検討、(4)具体的なシステムのデザインが必要である。
本年度の研究では一応(1)ー(3)を主としたが、(4)についても簡単に検討することとした。なお、実際のシステムの利用者に対するアンケート調査、例えば、実際の「通し」に係る時間及び諸費用の調査、申請の簡便さに関する調査、設置場所の要望などを調査することや、薬監申請制度の見直しに関し有識者の意見を聞くなどのことも考慮したが、当面電算化のイメージを固めることが先決と判断し、本年度は実施しなかった。
結果と考察
医薬品等の輸入手続きについては本省医薬安全局監視指導のヒアリングにより詳細を把握した。また関連する既存システムに審査センターや医薬品機構の医薬品申請システム、食品保健課の食品安全性に関するシステム、大蔵省の課税システムを調査したが、一部についてはまだ不十分なままである。情報技術に関しては、従来のようなホストである凡用機をある場所に置き、あとは各事業所(関係機部)に端末を置く、センター方式と少数のサーバー(UNIX)マシンと複数のクライアントマシンを組み合わせたクライアントサーバー方式および後者の特別な例であるインターネットを基盤としたシステムの3通りを検討した。
このうちで、開発運用の費用、使いやすさ、技術進歩のいずれの点でも最も優れているのは、インターネットを用いる方式である。ただし、その弱点とされるのはセキュリティである。インターネットのセキュリティは現在さまざまな角度から研究されており、技術進歩は著しいものがある。本研究で構想しているシステムの実現は1~2年後と推定されているのでインターネット方式をまず優先的に考慮することとした。以上のことから具体的なシステムを提案した。
結論
医薬品などの輸入に関する審査業務をコンピュータ化するための検討を行った。機能と費用面を考慮して提案したのはインターネットを基盤とする方式である。この方式はセキュリティに問題があると懸念されているが、電子決済などを念頭に置いた電子認証方式の技術などが日進月歩であり、1、2年先を考えれば十分実用に耐えると判断した。
今後の課題としては、
(1)現在提案しているシステムが、ユーザーに受け入れられるか否かを調査する
(2)いくつかの既存システムについて、さらに詳細を調査する
(3)提案するシステムの詳細を設計する
ことが残されている。この他に、今回の研究目的からは多少免脱するが厚生省(監視指導課課)がこの種の業務を円滑に行うための支援システムが必要ではないかと考える。この種の支援システムも医薬品等のデータベース、業者リスト、関連情報の検索システムなどである。

公開日・更新日

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