文献情報
文献番号
200500202A
報告書区分
総括
研究課題名
1分子PCRデバイスの開発
課題番号
H16-ナノ-009
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
野地 博行(大阪大学産業科学研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【ナノメディシン分野】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
「我々が独自に開発した超微小の反応チャンバーとマイクロヒーターを利用して、1分子PCRと増幅DNA長の計測を両立したシンプルなデバイスを開発する。」これが、本研究の目的である。
研究方法
1)マイクロヒーターを用いたPCRサイクルの再現
マイクロヒーターを用いて、PCR温度サイクルを水溶液中で再現する。ヒーター表面を高分子膜(パリレン膜)によってコーティングすることで、ヒーターの耐久性を向上させる試みる。
2)フェムトリットルチャンバーとマイクロヒーターとの統合化とDNA1分子の変性
フェムトリットルチャンバーとマイクロヒーターとを組み合わせ、チャンバー中のDNA分子を可視化し、マイクロヒーターで温度制御を行、DNA1分子を変性させる。その様子を可視化する。
3)チャンバー内DNAに対する電気的操作
増幅したDNAの長さを計測するためには、チャンバー内DNAに対して交流電界を印加する必要がある。このような電気的な操作を行う前段階として、本年度ではチャンバーに閉じ込めたDNAに対して一定電流を流し、DNAのブラウン運動を電気的に制御可能か検証する。
マイクロヒーターを用いて、PCR温度サイクルを水溶液中で再現する。ヒーター表面を高分子膜(パリレン膜)によってコーティングすることで、ヒーターの耐久性を向上させる試みる。
2)フェムトリットルチャンバーとマイクロヒーターとの統合化とDNA1分子の変性
フェムトリットルチャンバーとマイクロヒーターとを組み合わせ、チャンバー中のDNA分子を可視化し、マイクロヒーターで温度制御を行、DNA1分子を変性させる。その様子を可視化する。
3)チャンバー内DNAに対する電気的操作
増幅したDNAの長さを計測するためには、チャンバー内DNAに対して交流電界を印加する必要がある。このような電気的な操作を行う前段階として、本年度ではチャンバーに閉じ込めたDNAに対して一定電流を流し、DNAのブラウン運動を電気的に制御可能か検証する。
結果と考察
1)マイクロヒーターを用いたPCRサイクルの再現
マイクロヒーター表面をパリレン膜でコートすることにより、PCR温度サイクルを水溶液中で再現することに成功した。また、コーティングすることにより、マイクロヒーターの耐久性が向上し30回以上の繰り返し使用が可能となった。
2)フェムトリットルチャンバーとマイクロヒーターとの統合化とDNA1分子の変性
フェムトリットルチャンバー中に閉じこめたDNAに対し、マイクロヒーターでDNAの変性温度に相当する、98℃の温度を与えてやると、1分子のDNAの変性が可視化できることが分かった。
3)チャンバー内DNAに対する電気的操作
増幅したDNAの長さを計測するためには、チャンバー内DNAに対して交流電界を印加する必要がある。このような電気的な操作を行う前段階として、本年度ではチャンバーに閉じ込めたDNAに対して一定電流を流し、DNAのブラウン運動を電気的に制御可能か検証した。この結果、チャンバー内DNAは0.1mA以上の電流によってブラウン運動が抑制され始め、0.3mA以上で完全に抑制されることがわかった。
マイクロヒーター表面をパリレン膜でコートすることにより、PCR温度サイクルを水溶液中で再現することに成功した。また、コーティングすることにより、マイクロヒーターの耐久性が向上し30回以上の繰り返し使用が可能となった。
2)フェムトリットルチャンバーとマイクロヒーターとの統合化とDNA1分子の変性
フェムトリットルチャンバー中に閉じこめたDNAに対し、マイクロヒーターでDNAの変性温度に相当する、98℃の温度を与えてやると、1分子のDNAの変性が可視化できることが分かった。
3)チャンバー内DNAに対する電気的操作
増幅したDNAの長さを計測するためには、チャンバー内DNAに対して交流電界を印加する必要がある。このような電気的な操作を行う前段階として、本年度ではチャンバーに閉じ込めたDNAに対して一定電流を流し、DNAのブラウン運動を電気的に制御可能か検証した。この結果、チャンバー内DNAは0.1mA以上の電流によってブラウン運動が抑制され始め、0.3mA以上で完全に抑制されることがわかった。
結論
この結果から、フェムトリットルチャンバーと電気的操作とが両立可能であることがわかった。このため、顕微鏡上でPCRを行うための基盤技術の開発はほとんど終了し、それをすべて組み合わせる段階に来ていると考えている。
公開日・更新日
公開日
2006-07-19
更新日
-