文献情報
文献番号
200500201A
報告書区分
総括
研究課題名
ミスマッチ塩基対結合リガンド固定化SNP検出デバイスに関する研究
課題番号
H16-ナノ-006
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
中谷 和彦(大阪大学産業科学研究所)
研究分担者(所属機関)
- 児嶋 長次郎(奈良先端科学技術大学院大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【ナノメディシン分野】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
38,250,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
申請者が世界で初めて開発に成功した、DNA中のミスマッチ塩基対に特異的に結合する低分子化合物に関する技術に、日本発のナノテクノロジーを融合して、迅速、正確、かつ安価にSNPタイピングが行える診断デバイスを開発し、社会に提供することにある。
研究方法
1)「ミスマッチ結合リガンド固定化SNP検出HPLCデバイスの開発」
昨年度に引き続き「ミスマッチ結合リガンド固定化SNP検出HPLCデバイス」についてその特性評価をさらに進めるとともに、その耐久性についても調べた。
2)「ミスマッチ結合リガンド固定化SPRイメージングセンサーの開発」
本年度はセンサー上へのリガンドの固定化による実証実験を重点的に進めた。
3)分担研究者の児嶋は「G-Gミスマッチ結合リガンドによるミスマッチ塩基対認識機構の構造的基盤の解明と高アフィニティー型MBLの分子デザイン」に関する研究を進めた。
昨年度に引き続き「ミスマッチ結合リガンド固定化SNP検出HPLCデバイス」についてその特性評価をさらに進めるとともに、その耐久性についても調べた。
2)「ミスマッチ結合リガンド固定化SPRイメージングセンサーの開発」
本年度はセンサー上へのリガンドの固定化による実証実験を重点的に進めた。
3)分担研究者の児嶋は「G-Gミスマッチ結合リガンドによるミスマッチ塩基対認識機構の構造的基盤の解明と高アフィニティー型MBLの分子デザイン」に関する研究を進めた。
結果と考察
1)実験の結果、塩濃度を上げていく過程で各DNAのカラム表面に存在するMBLへの結合力の違いにより以下のミスマッチDNAをフルマッチDNAと分離することができた。昨年度のNaOHグラジエント条件下で分離に成功したミスマッチDNAを含めると、3つのMBLカラムを相補的に用いることで8種類全てのミスマッチDNAを検出できることが明らかになった。
2)ビアコア社のSPRセンサーでは成功している低分子リガンドの固定化方法を用いてNCを固定化した後、SPRイメージングを観測したが、今のところ期待したセンサーグラムやイメージが得られていない。カルボキシル基の活性化条件の更なる検討が必要。
3)NC複合体の立体構造を詳細に検討したところ、昨年度報告したA-Aミスマッチ結合リガンドNAとの複合体構造やG-Gミスマッチ結合リガンドNDとの複合体構造で見られたMBL結合領域での若干の歪みがNC複合体では見られず、歪みの無い完全なスタッキングとなっていることが判った。
2)ビアコア社のSPRセンサーでは成功している低分子リガンドの固定化方法を用いてNCを固定化した後、SPRイメージングを観測したが、今のところ期待したセンサーグラムやイメージが得られていない。カルボキシル基の活性化条件の更なる検討が必要。
3)NC複合体の立体構造を詳細に検討したところ、昨年度報告したA-Aミスマッチ結合リガンドNAとの複合体構造やG-Gミスマッチ結合リガンドNDとの複合体構造で見られたMBL結合領域での若干の歪みがNC複合体では見られず、歪みの無い完全なスタッキングとなっていることが判った。
結論
1)実証実験に成功し、全てのミスマッチ分離を達成した。また、25回程度の繰り返し使用が可能であることが明らかとなった。
2)東洋紡から供給されるセンサーにどのように低分子固定化に最適するかが大きな課題である。
3)多次元NMRを用いることで、G-Gミスマッチ結合リガンドとDNAとの複合体の立体構造を高分解能で決定することに成功した。
2)東洋紡から供給されるセンサーにどのように低分子固定化に最適するかが大きな課題である。
3)多次元NMRを用いることで、G-Gミスマッチ結合リガンドとDNAとの複合体の立体構造を高分解能で決定することに成功した。
公開日・更新日
公開日
2006-04-25
更新日
-