移植医療に関する国際比較分析に関する研究

文献情報

文献番号
200500179A
報告書区分
総括
研究課題名
移植医療に関する国際比較分析に関する研究
課題番号
H16-再生-005
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
白倉 良太(大阪大学大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 貫井 英明(山梨大学)
  • 福嶌 教偉(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 古川 博之(北海道大学大学院医学研究科)
  • 杉田 正夫(山梨大学医学部附属病院)
  • 田中 秀治(国士舘大学 スポーツ医科学科)
  • 菊地 耕三((財)臓器移植ネットワーク)
  • 篠崎 尚史(東京歯科大学市川総合病院 角膜センター)
  • 岡本 真一郎(慶應義塾大学 医学部)
  • 高橋 恒夫(東京大学医科学研究所 細胞プロセッシング寄付研究部)
  • 高原 史郎(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 長谷川 友紀(東邦大学医学部医学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【再生医療研究】
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 わが国における移植医療の普及発展を計ることはもとより、世界の移植医療の危機を乗り越えるために、必要な最新の海外の状況、および共通認識等を集約し、分析を行い、必要な提言をおこなうことを目的とする。
研究方法
分担課題は設けず以下の項目について共同作業を行った。
(1)脳死移植実現までの30年間の歴史的資料のアーカイブ、データベース化
(2)内外の現況をリアルタイムで知るための情報網の構築
(3)今後の改善、改革活動に必要なシンクタンクの形成
 また、厚生労働省健康局疾病対策課臓器対策室の要請で、臓器移植法改正や、WHOの会議に必要な資料の作製を行った。
結果と考察
臓器対策室にある、これまでの約20年間の移植に関する資料をはじめ、学会、研究会の事務局が保存する資料、患者団体が保有する資料の収集を開始した。
資料をできるだけ電子ファイルにして、図書管理システムに準じた管理方法で保存することにし、データベースを作製した。資料を関係者、一般市民にホームページ上で公開することにした。
また、平成17年度厚生労働科学研究費補助金「厚生労働科学特別研究事業」と共同研究で渡航移植の実態把握及びリスク解析を行った。心移植については、関連する国内17施設、肝移植は、日本肝移植研究会施設会員123施設、腎移植は日本臨床腎移植学会の登録施設154施設を対象に調査した。心移植は、小児のみならず成人も増加しており、合計で103例になった。心移植の場合、紹介者は明確であり、予後も判明した。一方、肝移植、腎移植では外来通院中の患者を調査した。渡航移植者は肝が221名、腎が198名であった。肝、腎では斡旋・紹介の有無の回答が得られないケースが多く、予後も不明であった。今回の調査研究で、調査自体が内政干渉との批判を受けるなど海外渡航移植の事態把握が極めて難しいことが判明した。
結論
(1)脳死移植実現までの30年間の歴史的資料のアーカイブ、データベース化のためのソフトを開発した。
(2)内外の現況をリアルタイムで知るための情報網の構築について:海外渡航移植例の調査を行った。欧米とアジアで事情が大いに異なり、アジアの実態把握が極めて難しいことが判明した。
(3)シンクタンクの形成について:現在、厚生労働省健康局疾病対策課臓器対策室の指揮のもと日本移植学会倫理委員会と協力して形成の予定。

公開日・更新日

公開日
2006-07-20
更新日
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