理学療法士等リハビリテーション関連職種の就業の実態と今後の需給予測

文献情報

文献番号
199700015A
報告書区分
総括
研究課題名
理学療法士等リハビリテーション関連職種の就業の実態と今後の需給予測
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
信川 益明(杏林大学医学部医療科学教室)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生行政科学研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
1,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
理学療法士(PT)、作業療法士(OT)等のリハビリテーション関連職種は、高齢化の進展等を背景として、需要、供給ともに増大し養成校の数も増加しており、PT、OTについては、平成3年に医療関係者審議会において需給計画を策定したところである。しかし今後、介護保険の導入、業務形態、就労場所の変化、地域偏在の改善、PT、OTの専門性、養成校の養成定員、国家試験の合格率、PT、OTの求人状況等の環境の変化が予測される。このため就業の実態調査の実施と中長期的なPT、OTの需要について試算を行い、質の高い人材確保、効率的な人的資源の配分の観点から、PT、OTの需要のあり方について検討を行うことが必要である。
研究方法
医療関係者審議会理学療法士作業療法士部会によるPT及びOTの需給計画の過去3回の見直しについてレビューし、分析手法等について検討した。PT、OTの今後の役割、活躍の場、PT、OTの需給に関係する因子等について検討した。新ゴールドプラン及び介護保険制度と障害者プランに対するPT及びOTの需給計画については、PT、OT養成校数、定員、医療施設調査、社会福祉施設調査等の既存の調査をもとに現状を把握し、中長期的なPT及びOTの需給の動向を重回帰分析方法による推定を行い試算した。また、理学療法士に関する国際的な基礎データを収集するため、世界理学療法連盟 (WCPT:World Conference of Physical Therapy)加盟国を対象として、実態調査を実施した。
結果と考察
新ゴールドプランが目標年に達成されると仮定した場合、PTの需給関係は、均衡しており、平成10年以降、供給が増加することが示された。OTの需給関係は、平成12年に需給が均衡し、それ以後供給が増加することが示された。
本研究では、平成10年~平成29年までを推定し、その推定された結果に、「配置基準積算基礎」を適用し理学療法士・作業療法士の需要(ニーズ)量を求めている。従って、配置基準積算基礎は重要な影響因子であり、今後、この見直しが必要である。そのためには、全国規模のPT、OTが就業する関係施設の実態調査の実施が不可欠である。
我が国の人口10万人に対するPT数は、15.4人であり、諸外国の実態調査結果と比較すると、少ない状況である。需給計画調査を実施している国の割合は29%と少なかった。
結論
新ゴールドプランが目標年に達成されると仮定して需要推計した場合、 PTの需給関係は供給が需要を満たしていた。OTの需給関係は平成12年に需給が均衡しそれ以後、供給が増加することが示された。今後、配置基準積算基礎の見直しのための関連施設のPT、OTの実態調査及び、介護保険制度による影響を踏まえたPT、OTの将来的な需要を推計することが必要である。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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研究報告書(紙媒体)