再生医療の実用化の安全性・効率性に関する基盤技術の整備

文献情報

文献番号
200500175A
報告書区分
総括
研究課題名
再生医療の実用化の安全性・効率性に関する基盤技術の整備
課題番号
H17-再生-023
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
上田 実(名古屋大学大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 各務 秀明(名古屋大学医学部)
  • 紀ノ岡 正博(大阪大学大学院基礎工学研究科)
  • 本多 裕之(名古屋大学大学院工学系研究科)
  • 木全 弘治(愛知医科大学 分子医科学研究所)
  • 鈴木 力(株式会社日立メディコ技術研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【再生医療研究】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
28,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、再生医療に必要とされる培養細胞の安全性、品質の確保と培養過程の効率性に関する基盤技術を確立することである。
研究方法
 初めに、培養細胞の安全性に関する検討として無血清・自己血清を用いた細胞培養の基礎的検討を行う。次に、培養細胞品質評価のため、非接触形式で動的および静的に細胞を診断する技術の開発を行う。これは培養中の細胞の移動度や回転運動等の画像情報から、培養細胞の分化度や機能異常を検知することを目標とする。非破壊評価で得にくい情報である目的外の細胞への分化については、画像指標と分子生物学・細胞生物学的評価とを比較検討する。また、細胞調製の現場での問題であるヒューマンエラーによる各種汚染・人の経験に頼った工程の非効率性を解決するため、自動培養装置と組み合わせた培養条件(培養期間・細胞播種濃度・作業工程の調製を自動化する情報処理技術の開発を行う。
結果と考察
 ヒト患者細胞(線維芽細胞)の無血清培養では、基礎培地のみで細胞増殖は見られなかったのに対しEIDF培地等の無血清培地では10%FCS添加培地と比べ、約1.3-foldと同等以上の細胞増殖能を確認した。また、自己血清(5?20%自己血清)を用いた培養では濃度にあまり影響されず、FCS10%添加培地とほぼ同等の細胞活性が得られた。しかし、同期間における同一細胞の増殖率は患者血清によって最大2倍もの差が生じることが明かとなり、個体差の影響を考慮したシステムにおける課題が明かとなった。
 動画細胞評価としては、細胞観察システムを構築し、ヒト角化細胞の挙動観察を行った。結果、2個の細胞が接した状態での回転運動は、通常酸素濃度(21%)に比べて極低酸素濃度(0.2%以下)では、寿命に伴って減少しないことが示され、動的評価技術での細胞寿命を非接触で評価できる可能性が示された。
 また、情報処理解析を用いた培養効率化のため、20名の患者細胞の経時的増殖・活性データを蓄積し、モデル化のため細胞活性・治癒効果との対応を行っている。
結論
H17年度の本研究では、再生医療を実用化するための培養システム作りとして「培養条件の低コスト化」「非接触品質評価指標」「情報処理による培養効率化」のための基礎データを蓄積できた。今後は、各研究課題で得られた成果を相互に結びつけ、より総合的な効率化システムを構築することを課題とする。

公開日・更新日

公開日
2006-07-20
更新日
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