移植医療の社会的基盤整備に関する研究

文献情報

文献番号
200500174A
報告書区分
総括
研究課題名
移植医療の社会的基盤整備に関する研究
課題番号
H17-再生-020
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
島崎 修次(杏林大学 救急医学)
研究分担者(所属機関)
  • 北村 惣一郎(国立循環器病センター)
  • 田中 秀治(国士舘大学 救急医学)
  • 篠崎 尚史(東京歯科大学市川総合病院 角膜センター・アイバンク)
  • 長谷川 友紀(東邦大学 医療政策)
  • 大島 伸一(国立長寿医療センター)
  • 高橋 公太(新潟大学大学院 腎泌尿器病態学)
  • 藤田 民夫(名古屋記念病院 )
  • 鈴木 和雄(新都市クリニック)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【再生医療研究】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
36,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
DAP(Donor Action Program)は、TQM(Total Quality Management、総合的室管理)の方法論を用いて臓器提供病院においてドナーの同定、移植コーディネータとの連絡、家族の意思決定の支援、臓器提供、家族のケアなど一連のプロセスを円滑に行う体制確立を目指す手法である。本研究では、日本のデータをヨーロッパ諸国のデータと比較検討し、日本の医療スタッフにおける特徴、教育ニーズ、改善策を明らかにする。
研究方法
HASは、これまで10都道府県31病院で実施され、初回実施6790人、2回目実施666人のデータが、MRRでは10病院より944人のデータが得られている。これらを用いて、日本のデータとヨーロッパ諸国(n=5447、Finland、France、Greece、Hungary、Poland、Sweden、Switzerland、United Kingdom)との比較検討を実施した。
結果と考察
日本では、①脳死を死の妥当な判断基準と考えるものが少なく(日本40%、欧州80%)、自分の死後(日34%、欧84%)、又は、家族の死後臓器提供を希望するものが少ない(日44%、欧94%)、②一般の臓器提供希望者の割合を実際よりも過小評価する(50%未満が臓器提供賛成と考えるものが医療者の90%以上)、また移植待機者数を実際よりも過小評価するなど、臓器移植の社会的ニーズと効果を過小評価する傾向にあること、③臓器提供が家族の悲嘆緩和に懐疑的で (日12%、欧70%が悲嘆を和らげると回答)、④グリーフケアについて教育が不十分であり (日2%、欧23%が受けたことがあると回答)、潜在的ドナー家族とのコミュニケーションをストレスと感じるものが多い。
結論
日本では、①脳死を死の妥当な判断基準と考えるものが少なく、自分の死後、あるいは家族の死後臓日本の医療従事者では、①脳死を死の妥当な判断基準と考えるものが少なく、自分、家族の死後臓器提供を希望者が少ないなど、脳死と臓器提供について消極的、否定的であること、②臓器提供希望者の割合や、移植待機者数を実際よりも過小評価する傾向にあること、③臓器提供が家族の悲嘆を和らげることについて懐疑的であり、④グリーフケアでは、不十分な教育・経験により、潜在的ドナー家族との対話をストレスと感じる点が示唆された。
医療スタッフに対する脳死・臓器提供の教育研修、日本のデータを用いての臓器提供が家族の悲嘆を軽減することの検証、グリーフケアについての体系的なプログラムの開発、を実施することが優先度の高い緊急の課題であると考えられた。

公開日・更新日

公開日
2006-07-20
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-09-27
更新日
-