文献情報
文献番号
200500172A
報告書区分
総括
研究課題名
同種造血幹細胞移植治療の成績向上を目指した包括的臨床研究
課題番号
H17-再生-016
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
高上 洋一(国立がんセンター中央病院・薬物療法部)
研究分担者(所属機関)
- 平家 勇司(国立がんセンター研究所・薬効試験部)
- 中尾 眞二(金沢大学大学院医学系研究科・細胞移植学)
- 河野 嘉文(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科・小児発達機能病態学)
- 松井 利充(神戸大学大学院医学系研究科・血液・腫瘍内科)
- 金丸 昭久(近畿大学医学部・血液内科)
- 林 邦雄(国家公務員共済組合連合会京阪奈病院・内科)
- 長藤 宏司(九州大学病院・第一内科)
- 宇都宮 與(慈愛会今村病院分院・院長)
- 國頭 英夫(国立がんセンター中央病院・総合病棟部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【再生医療研究】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
各種の造血幹細胞移植の標準化と適応拡大を目指した臨床試験、安全性向上のための合併症対策を基礎的研究成果も参考に検討する。他班と共同で臍帯血ミニ移植の開発試験を行う他、移植後再発に対するドナーリンパ球輸注(DLI)の改善、難治性小児腫瘍患児に対する自家移植と同種移植の併用療法を開発し、多発性骨髄腫や成人T細胞白血病(ATL)に対する同種移植の適応拡大も検討する。合併症の中でも、特にGVHD、血栓性微小血管障害(TMA)やサイトメガロウィルス(CMV)などに重点対策を講じて移植治療の安全性を確保する。
研究方法
白血病や骨髄異形成症候群患者などを対象として臨床試験と基礎研究を遂行する。血縁者の末梢血幹細胞、非血縁者の骨髄あるいは臍帯血を用いたミニ移植を検証する。その他、TMAの早期診断と介入、GVHDの臨床評価や移植領域における適応外医薬品の臨床導入などを検討する。付随研究として、移植後のCMV感染の発症頻度とCMV特異的T細胞動態を経時的に検討するなど、移植治療の特徴を基礎研究の側面から明らかにする。
結果と考察
本研究結果をもとに、ミニ移植に必須の薬剤の適応拡大が可能になる見通しとなった。その他、非血縁者間骨髄、HLA一座不適合血縁ドナーや臍帯血を幹細胞源としたミニ移植や、転移性固形腫瘍あるいは多発性骨髄腫などに対する移植治療の適応拡大を検討した。基礎研究としては、GVHDに伴う抗腫瘍免疫反応の機構解明のための研究を行った。
同種免疫反応には人種差があるため、欧米の試験成績をわが国の移植現場に直接当てはめることは不可能である。本研究においては、ミニ移植を含めた各種の造血幹細胞移植の標準化のための厳正な臨床試験と安全性向上のための合併症対策、さまざまな患者や疾患に対する適応の拡大などを検証し、我が国固有のエビデンスを蓄積することを目指した。特に、現在の医師主導臨床治験を先取りする形で、学会と協働して適応外医薬品の導入を図る手法を初めて用いた大きな成果と考える。治療を受ける患者検体を用いる基礎研究を並行して行うことで、治療学的妥当性を与え、新規治療開発にも貢献すると考える。同時に、移植医療の均てん化も目指して多くの研修者を受け入れた。
同種免疫反応には人種差があるため、欧米の試験成績をわが国の移植現場に直接当てはめることは不可能である。本研究においては、ミニ移植を含めた各種の造血幹細胞移植の標準化のための厳正な臨床試験と安全性向上のための合併症対策、さまざまな患者や疾患に対する適応の拡大などを検証し、我が国固有のエビデンスを蓄積することを目指した。特に、現在の医師主導臨床治験を先取りする形で、学会と協働して適応外医薬品の導入を図る手法を初めて用いた大きな成果と考える。治療を受ける患者検体を用いる基礎研究を並行して行うことで、治療学的妥当性を与え、新規治療開発にも貢献すると考える。同時に、移植医療の均てん化も目指して多くの研修者を受け入れた。
結論
造血幹細胞移植治療の標準化、新規治療の開発並びに安全性向上を目指した臨床試験と基礎研究を推進して一定の成果を挙げて国民医療の向上に寄与した。
公開日・更新日
公開日
2006-07-20
更新日
-