臍帯血を用いる造血幹細胞移植技術の高度化と安全性確保に関する研究

文献情報

文献番号
200500171A
報告書区分
総括
研究課題名
臍帯血を用いる造血幹細胞移植技術の高度化と安全性確保に関する研究
課題番号
H17-再生-014
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 俊一(東海大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 東 英一(三重大学 医学部)
  • 安藤 潔(東海大学 医学部)
  • 磯山 恵一(昭和大学 藤ヶ丘病院)
  • 甲斐 俊朗(兵庫医科大学)
  • 加藤 剛二(名古屋第一赤十字病院)
  • 坂巻 壽(東京都立駒込病院 )
  • 高梨 美乃子(東京都赤十字血液センター)
  • 高橋 聡(東京大学 医科学研究所)
  • 高橋 恒夫(東京大学 医科学研究所)
  • 谷口 修一(虎ノ門病院)
  • 中林 正雄(愛育病院)
  • 浜島 信之(名古屋大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【再生医療研究】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
41,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
臍帯血移植は骨髄移植、末梢血幹細胞移植に次ぐ第3の造血幹細胞移植として近年急速に実施数が増加している。本研究班では臍帯血採取から分離、保存、移植の実施、移植後の報告にいたるまでの全過程を系統的に検証し、移植療法としての高度化に取り組むと同時に、安全性確保のための方策を提言することを目的とする。
研究方法
1.臍帯血の採取,分離,保存、機能評価法の確立と改善;移植に提供される臍帯血幹細胞の量ならびに質の改善を行うために,臍帯血の採取から分離,保存,解凍にいたる過程の方法の改善を検討する。
2.移植方法の改良;臍帯血移植における至適治療法確立のため、前処置、GVHD予防法、感染症予防と治療法などについて、成人と小児に分け多施設共同研究を行う。
3.新しい移植技術の開発;臍帯血の骨髄内移植法や抗ウイルスDCワクチンについて、マウスなどにおける基礎的検討を行った上で臨床応用を計画する。
4.再生医療への応用;造血系以外の組織の再生に臍帯血幹細胞を利用するための基礎的検討と臨床応用のための基盤整備を行う。
5.臨床研究実施体制の整備;質の高い多施設共同研究を円滑に実施できるための基盤整備を学会と協力して構築する。
6.移植成績の収集と解析;臍帯血バンク、学会などと協力して全国調査を継続し、臍帯血移植の成績を詳細に解析すると同時に問題点を明らかにする。
結果と考察
1.臍帯血採取法についてワークショップを行ったところ、採取者の熟練度が最も重要な因子であることと、カンガルーケアによる採取法に利点があることなどが分かった。
2.臍帯血幹細胞の評価法の標準化を行うための国際的クオリティコントロール研究に参加し、コロニー形成アッセイ法とCD34測定法の標準化に着手した。
3.複数臍帯血移植、成人における臍帯血移植、小児における臍帯血移植の3つの臨床研究について、研究計画書を完成し、参加施設の倫理委員会の承認を受けた上で順次開始した。これらの臨床研究を実施する上での登録事務局と研究事務局を整備した。
4.これまでにわが国で実施された非血縁者間臍帯血移植1860例について詳細な解析を行い、臍帯血移植の特徴と問題点を明らかにした。
結論
臍帯血の採取方法の改善についての提言、臍帯血幹細胞の評価方法の標準化を行うための基盤整備、3つの臨床研究の計画の完成と倫理委員会による承認、臨床研究の基盤整備などを順調に進めることができた。

公開日・更新日

公開日
2006-07-20
更新日
-