タスクフォースによる先端医学と社会の調和のための基盤整備

文献情報

文献番号
200500162A
報告書区分
総括
研究課題名
タスクフォースによる先端医学と社会の調和のための基盤整備
課題番号
H17-生命-001
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
小林 英司(自治医科大学分子病態治療研究センター臓器置換研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 丸山 英二(神戸大学大学院法学研究科)
  • 絵野沢 伸(国立成育医療センター研究所)
  • 安東 由喜雄(熊本大学大学院医学薬学研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【ヒトゲノム遺伝子治療研究】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成19(2007)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 先端医科学の研究を行なっている者自身が自主ルールを整理する作業班となることで“自主性”及び“具体性”を示すことを目的にした。その過程を内部監査しディスクロージャーすることで社会性をもたせることをねらった。これまでの指針がそれぞれ異なった立場でまとめられた為相互の関連において粗である点が問題であったことからもこのような総括的な提案が最も現実的対応と考えられる。
研究方法
 文献等調査並びに研究者等への聞き取り調査を行なった。
結果と考察
 自己の骨髄間葉系細胞を異所性に移植し血管再生を促す治療は、閉塞性動脈硬化症やバージャー病に対する治療法として高度先進医療に承認されている。これらが生み出された経過と現在の取組み、限界についての提示があった。再生医療に関しては末期虚血性心疾に対する自己由来細胞移植を利用した治療、自己骨髄培養幹細胞を用いた骨関節疾患の治療、難治性角結膜疾患に対する自己培養口腔粘膜上皮シート移植が行われている。さらに人工真皮に骨髄細胞を添加して塗布する治療法の現状を検討した。
 生体部分肝移植は保険適応になるまでに急速に発展し患者に光明を与えている。しかしドナー範囲の設定、C型肝硬変への移植、血液型不適合移植といった問題点が出てきている。C型肝硬変患者に対する生体肝移植は移植後のC型肝炎再発が極めて高いこと、肝癌患者には脳死で適応されているミラノ基準があるものの生体ではそぐわないものがあることなどが検討された。ここ数年で肝ガン治療としての生体肝移植は飛躍的に多くなり短期予後はある程度良好になったが再発の危険は常に随伴する。再発を抑制するための移植後療法は種々考えられ、その一つが免疫療法であり細胞治療に必要なガイドラインを整理し報告した。また血液型不適合肝移植並びにC型肝硬変に対する術後のプロトコールバイオプシーの意義が検討された。いずれもRisk & Benefitが存在し研究者の意見が異なっていることが明らかにされた。
 遺伝子解析研究成果の有用な啓発法を探求する為、基礎及び臨床研究を行なってきた家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)を中心に討議した資料を基に自主ルールをまとめた。
結論
タスクフォースによる自主ルールをまとめそれぞれの資料を作成した。現在の共通ガイドラインと照らし合わせ、更に新しく作成される共通指針に対する参考資料が先端医学研究を自ら行なう者がタスクフォースとなり収集された。

公開日・更新日

公開日
2006-04-07
更新日
-