文献情報
文献番号
200500155A
報告書区分
総括
研究課題名
疾患研究のための実験動物研究資源の基盤整備に関する総合的研究
課題番号
H17-ゲノム-011
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
松田 潤一郎(独立行政法人医薬基盤研究所 生物資源研究部)
研究分担者(所属機関)
- 葛西孫三郎(高知大学 農学部)
- 中潟直己(熊本大学生命資源研究・支援センター)
- 横山峯介(新潟大学脳研究所附属生命科学リソース研究センター)
- 鈴木治(独立行政法人医薬基盤研究所 生物資源研究部)
- 小倉淳郎(独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンター)
- 岡部勝(大阪大学微生物病研究所附属遺伝情報実験センター)
- 加藤秀樹(浜松医科大学医学部附属動物実験施設)
- 山田靖子(国立感染症研究所動物管理室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【ヒトゲノム遺伝子治療研究】
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
53,479,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
疾患モデル動物をはじめとした実験動物研究資源の維持管理、胚・配偶子等の保存、供給、遺伝学的及び微生物学的品質管理などに関する総合的研究を行い、実験動物研究資源の基盤整備を進め、ゲノム医学など疾患研究の進展に資することを目的とする。
研究方法
実験動物として、マウス、ラット、スナネズミ、マストミス、シリアンハムスター、ウサギ、コモンマーモセットなどを使用し次項に示す研究を行った。
結果と考察
(1)維持管理、胚・配偶子等の保存、供給に関しては、(ア)疾患モデルマウスやスナネズミなどの特殊実験動物について、各系統・動物種の繁殖特性に応じた維持法の開発や発生工学を含むさまざまな手法を駆使して系統維持を行った。(イ)マウス胚・精子の凍結保存システムを構築するとともに、マウス精子の形態的特徴と体外受精能との関連を明らかにした。(ウ)ガラス化保存胚のドライアイスによる簡便な輸送法開発を行った。(エ)種々の方法で凍結したマウス胚を世界のマウスバンク間で輸送するシステムを確立した。(オ)ラット胚の簡易ガラス化法により凍結保存、卵巣の凍結保存法の開発を行った。(カ)シリアンハムスターの卵巣移植法の開発を行うとともに、過排卵誘起の分子的基礎を検討するため、実験用ハムスター4種の性腺刺激ホルモンの配列決定を行った。(キ)マウス顕微授精技術の応用で、組織あるいは全身凍結保存により精子・精子細胞が長期間保存可能であることがわかった。また、ウサギのES様細胞の樹立、およびマウス卵巣由来莢膜細胞幹細胞の分離に成功した。(ク)相同組換えマウスの効率的作製法開発として、X-GFPマウスを用いることでES細胞由来の産仔を100%の確率で生むキメラマウスの作製に成功した。(2)遺伝学的及び微生物学的品質管理については、(ア)コモンマーモセット遺伝マーカー開発を行い、ミトコンドリアDNAのSNPsを検出した。(イ)国内の実験動物施設で発生したリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)汚染検査を行い、組換えLCM-NPを抗原として用いたELISAと他の検査方法の比較検討を行い、その有用性や問題点を明らかにした。
結論
疾患モデル動物など実験動物研究資源の保存・維持管理、供給、品質管理などの総合的研究により、実験動物研究資源バンクを長期的安定的、また高度に支えるための基盤技術が一層進み、ゲノム医学等の発展に資するものと期待される。
公開日・更新日
公開日
2006-04-20
更新日
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