水道に用いられる塗料等からの溶出の実態と評価に関する研究

文献情報

文献番号
200501401A
報告書区分
総括
研究課題名
水道に用いられる塗料等からの溶出の実態と評価に関する研究
課題番号
H17-特別-055
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
安藤 正典(武蔵野大学 薬学研究所環境化学研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 西村 哲治(国立医薬品食品衛生研究所 環境衛生化学部)
  • 西野 二郎(日本水道協会 工務部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
2,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 水道に用いられている塗料については、そこから溶出する物質によって給水栓水の水質の衛生性を確保するため、厚生労働省が給水装置の構造及び材質や水道施設について基準を定め、これに基づいて塗料が使用されている。また、水道事業者等では、布設する水道管の選定に(社)日本水道協会における塗料の規格に従って評価し、使用塗料を採用している。一方、最近、水道施設とは別に、建築物の管理者が実施する建築物内の給水管の更生工事において規格に適合しない塗料が使用される等の不適切な施工により、原料成分の残存の可能性が懸念される化合物が含有していた場合は水道水等に溶出してくる可能性が否定できない。このため、塗料成分としてのメチレンジアニリン(MDA)の毒性、給水栓水での存在量及びリスク評価を行った。
研究方法
 本研究では、Ⅰ.現在使用中の水道管の塗料等の成分や、建築物内の給水管の更生工事で使用される工法・塗料等に関する情報収集をし、Ⅱ.塗料成分の検査方法の確立を行って水道管からの溶出実態の把握とともに、Ⅲ.その評価を行うことにより、塗料等に起因する水質の評価手法を提案することとした。
結果と考察
 Ⅰにおける塗料の成分には、7種があり、そのうち課題となりMDAを使っているものはA・S、NPCおよびNPL工法のみであった。さらに、Ⅱにおいては、MDAの分析方法を0.0005mg/Lまで検出できる方法を確立した。30箇所に及ぶ施工済みの建築物に対して採水し測定を実施した。Ⅲにおいては、現在の結果、建築物の更生工事を行った給水管を通過した水にはMDA等は検出されず、リスク評価の結果安全性に問題はないことが確認された。
結論
 存在量調査の結果、MDAは検出されず、したがってリスク評価では安全性が確認された。

公開日・更新日

公開日
2016-06-01
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2010-09-02
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200501401C