文献情報
文献番号
200501400A
報告書区分
総括
研究課題名
潜在性結核感染に対するイソニアジド投与に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H17-特別-054
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 誠也(財団法人 結核予防会結核研究所)
研究分担者(所属機関)
- 伊藤邦彦(財団法人 結核予防会結核研究所)
- 原田登之(財団法人 結核予防会結核研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
2,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
潜在結核感染者に対するイソニアジド投与による結核発症予防効果は経験的に認められているところであり、また、海外でも広くエビデンスに基づく発症予防治療として実施されているところであるが、現状においては、本邦では同用法は薬事法上の明確な承認が得られていない。ついては、早急にデータを集約し、薬事法の承認に足るエビデンスを確立することを目的として研究を行う。また、イソニアジドによる肝障害等の副作用の発現状況に関する臨床データを集積して解析を行い、安全な投与方法についても考察を行う。
研究方法
結核発症予防に関しては、これまでに発表された成書,総説、ガイドライン、原著論文等から発病予防に関する知見を整理する。 副作用に関する後ろ向き研究は、結核予防会第一健康相談所,同渋谷診療所において,2003年1月1日から2004年12月31日までに治療を開始した潜在結核感染患者を対象にした後ろ向き研究によって,副作用(肝機能障害及び自覚症状)の出現頻度を調査し、安全性と安全な使用方法について検討した。
結果と考察
1950年初頭から始められたIHNによる潜在結核感染に対する治療の有効性は、多くの研究の集積があり、教科書、総説、ガイドライン策定にあたって十分に証明されている。
INHによる潜在結核感染治療における副作用の主なものは肝機能障害であり、これまで我が国では少ないと考えられてきたが、今回、我が国で初めて行われた大規模な副作用調査によって、出現頻度は諸外国の報告と大きな違いがないことが判明した。しかしこれらの副作用はいずれも軽度であり、多くの肝障害の発症や進行はそれほど急激ではないため自覚症状に対する教育と定期的な肝機能のチェックで早期発見と対処が可能ではないかと推測された。
INHによる潜在結核感染治療における副作用の主なものは肝機能障害であり、これまで我が国では少ないと考えられてきたが、今回、我が国で初めて行われた大規模な副作用調査によって、出現頻度は諸外国の報告と大きな違いがないことが判明した。しかしこれらの副作用はいずれも軽度であり、多くの肝障害の発症や進行はそれほど急激ではないため自覚症状に対する教育と定期的な肝機能のチェックで早期発見と対処が可能ではないかと推測された。
結論
我が国において、今後より積極的に潜在結核感染の発病予防に取り組むことが望まれる。
公開日・更新日
公開日
2015-06-22
更新日
-