文献情報
文献番号
200501396A
報告書区分
総括
研究課題名
褥瘡ハイリスク患者への専門的看護技術提供に関する実態調査
課題番号
H17-特別-050
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
真田 弘美(東京大学大学院 医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
- 須釜 淳子(金沢大学大学院医学系研究科 )
- 永野 みどり(千葉大学大学院 看護学)
- 田中 秀子(日本看護協会看護研修学校 看護教育・研究センター 看護研修学校)
- 森口 隆彦(川崎医科大学 形成外科)
- 宮地 良樹(京都大学大学院医学系研究科 皮膚科)
- 志渡 晃一(北海道医療大学大学院看護福祉学研究科 疫学・保健統計)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
急性期医療の重症化に伴い褥瘡ハイリスク患者が急増し、従来の褥瘡対策では対処できず専門的な看護技術を導入する必要性が極めて高い。そのため創傷に熟知した認定看護師を起用した新しい診療報酬体制が求められている。
そこで本研究の目的は、急性期病院における認定看護師が行う技術を明確にするために、褥瘡ハイリスク患者に提供される技術を認定看護師の役割別に、内容、費用について実態を明らかにすることである。
そこで本研究の目的は、急性期病院における認定看護師が行う技術を明確にするために、褥瘡ハイリスク患者に提供される技術を認定看護師の役割別に、内容、費用について実態を明らかにすることである。
研究方法
1)対象
急性期病院に勤務し、創傷管理のトレーニングを受けた認定看護師26名とした。本研究は、厚生労働省の「疫学研究に関する倫理指針」に基づき実施した。
2)方法
(1)褥瘡ハイリスク患者に対して行われた専門的技術について、患者一人一日あたり必要となるケアの種類と回数、時間と部材費を前向きに調査した。
(2)上記の調査項目と、累積褥瘡発生率ならび治癒率の関係を分析した。なお、本研究におけるハイリスク患者とは、ブレーデンスケール12点以下であり、かつ研究者らが予備調査から選定した13要因を1つでも有する患者とした。
3)調査期間
平成18年1月13日から27日である。
急性期病院に勤務し、創傷管理のトレーニングを受けた認定看護師26名とした。本研究は、厚生労働省の「疫学研究に関する倫理指針」に基づき実施した。
2)方法
(1)褥瘡ハイリスク患者に対して行われた専門的技術について、患者一人一日あたり必要となるケアの種類と回数、時間と部材費を前向きに調査した。
(2)上記の調査項目と、累積褥瘡発生率ならび治癒率の関係を分析した。なお、本研究におけるハイリスク患者とは、ブレーデンスケール12点以下であり、かつ研究者らが予備調査から選定した13要因を1つでも有する患者とした。
3)調査期間
平成18年1月13日から27日である。
結果と考察
1)褥瘡有病率
有病率は患者1,000対26.9であった。褥瘡有病者の平均年齢は75.2歳、主疾患はがん28.0%であった。部位では仙骨部が38.9%と最も多かった。浅い褥瘡が64.7%であったが、ポケットを有する褥瘡も9.0%認めた。褥瘡ハイリスク要因は順に「栄養状態低下」69.5%、「鎮痛・鎮静剤の投与」39.0%、「カテコラミンの投与」35.2%であった。
2)認定看護師の活動状況
週1258.3分を褥瘡ケアに費やし、その内容は患者への直接ケア549.3分が最も多かった。患者1名1週間あたりの費用は、予防38,493円、管理49,287円であった。
3)褥瘡発生率に影響した要因と費用対効果
認定看護師の勤務形態が褥瘡発生率に影響し、兼任より専任で行うほうが褥瘡発生率小(効果大)・費用同であり、費用効果的であることが示唆された。
4)褥瘡治癒に影響した要因と費用対効果
個体要因(脳血管後遺症の罹患、関節拘縮の保有)と褥瘡状態(深い、良性肉芽50%以下、壊死組織残存)と関連があった。特に深い褥瘡は、院外発生が有意に多く管理費用と費用対効果にも影響を与えていた。
有病率は患者1,000対26.9であった。褥瘡有病者の平均年齢は75.2歳、主疾患はがん28.0%であった。部位では仙骨部が38.9%と最も多かった。浅い褥瘡が64.7%であったが、ポケットを有する褥瘡も9.0%認めた。褥瘡ハイリスク要因は順に「栄養状態低下」69.5%、「鎮痛・鎮静剤の投与」39.0%、「カテコラミンの投与」35.2%であった。
2)認定看護師の活動状況
週1258.3分を褥瘡ケアに費やし、その内容は患者への直接ケア549.3分が最も多かった。患者1名1週間あたりの費用は、予防38,493円、管理49,287円であった。
3)褥瘡発生率に影響した要因と費用対効果
認定看護師の勤務形態が褥瘡発生率に影響し、兼任より専任で行うほうが褥瘡発生率小(効果大)・費用同であり、費用効果的であることが示唆された。
4)褥瘡治癒に影響した要因と費用対効果
個体要因(脳血管後遺症の罹患、関節拘縮の保有)と褥瘡状態(深い、良性肉芽50%以下、壊死組織残存)と関連があった。特に深い褥瘡は、院外発生が有意に多く管理費用と費用対効果にも影響を与えていた。
結論
急性期病院において、褥瘡予防は専任体制が望ましく、管理者には高度な専門的知識とスキルが必要であると示唆された。
公開日・更新日
公開日
2006-10-17
更新日
-