NBC災害・テロ対応のシミュレーションと標準的対応に関する研究

文献情報

文献番号
200501365A
報告書区分
総括
研究課題名
NBC災害・テロ対応のシミュレーションと標準的対応に関する研究
課題番号
H17-特別-008
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
山本 保博(日本医科大学付属病院(高度救命救急センター))
研究分担者(所属機関)
  • 岡部 信彦(国立感染症研究所感染症情報センター)
  • 明石 真言(独立行政法人放射線医学総合研究所緊急被ばく医療部)
  • 奥村 徹(順天堂大学救急・災害医学研究室)
  • 郡山 一明(財団法人救急振興財団救命救急九州研究所)
  • 大友 康裕(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科救急災害医学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 NBC災害・テロへの対応体制は、現行では原因物質毎に別々の医療体制が取られているが、実際のNBC災害初動期においては初動時の対応困難、混乱が懸念される。こうした体制における初動期のギャップを埋めるためには、日常診療を担っている医療施設を活用することが必要である。本研究においては、NBC共通の標準的な医療対応方法を開発することを目的とした。
研究方法
NBC災害・テロへの医療対応について、先行研究の整理、国内外の状況の調査を行った。また、医療対応のあり方を検討する一環として、NBC災害・テロ対応訓練を企画し、実施した。それを基にしたNBCの専門家による検討により、NBC災害・テロへの標準的医療対応についての研修のあり方を提示した。
結果と考察
 NBC災害・テロ被災者の受け入れ、災害時派遣チームとして既存の救命救急センターを活用することが最も有効であることが明らかになった。こうした施設の医師、看護師、放射線技師、臨床検査技師が身に着けておくべき知識、標準的診療、除染、個人防護、検査等の手技が明らかになった。更に、これらの対応を身につけるに必要な研修として、総合的な机上、実地の演習を含めたカリキュラム案を提示した。研修において使用される資料の原案を、各分野の既存資料、新たに作成された資料を整理して提示した。一方、世界健康安全保障行動グループ(GHSAG)による国際訓練への協力を通じて、国際的なNBC災害・テロ対応にも寄与することができた。
 本研究の結果、行政がどのような医療機関がNBC災害・テロに対する初動を担うべきか判断する根拠を提示することができた。さらにこれらの医療機関における人員のための研修カリキュラム案を提示することができた。これらは今後整備すべき厚生労働省国民保護計画策定の基礎資料として活用しうるものであり、さらに実際のNBC災害医療体制整備、人員訓練において直接的に活用し得るものである。
結論
 NBC災害・テロへの対応は既存の救命救急センターを中心に、原因物質に限らない共通の標準的医療対応を行なうことが望ましい。こうした医療体制の整備のために、NBC各論から総合演習にいたる標準対応案を作成し、それを取得するための研修を実施することが有用である。本研究ではこうした体制整備を行なうための基礎資料を提示した。

公開日・更新日

公開日
2019-05-22
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200501365C