文献情報
文献番号
200500125A
報告書区分
総括
研究課題名
未承認医薬品の管理・安全性確認システムに関する研究
課題番号
H17-特別-032
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
久保田 潔(東京大学医学部薬剤疫学講座)
研究分担者(所属機関)
- 木内貴弘(東京大学医学部附属病院 医療情報学)
- 服部豊(慶應義塾大学医学部 内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
サリドマイド適正使用支援システムを大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)上のサリドマイド使用登録システム(Safety Management System for Unapproved Drugs、 SMUD)として実現する上でシステムが満たすべき要件、SMUDによる一元管理がサリドマイドのリスク最小化計画(RiskMAP)においてもつ意義、個人輸入される未承認薬一般にSMUDが果たしうる役割を明らかにする。
研究方法
日本臨床血液学会が2004年12月に発表した「多発性骨髄腫に対するサリドマイドの適正使用ガイドライン」を参考に、SMUDの内容として盛り込むべき事項を検討した。また、米国FDAのRiskMAPガイダンス、Celgene社が開発したサリドマイド管理プログラムのS.T.E.P.S.を参考に、SMUDがサリドマイドのRiskMAPと未承認薬一般に果たす意義を明らかにした。
結果と考察
日本臨床血液学会のガイドラインに沿って、UMINを通じて施設名、血液専門医の資格の有無、同意取得、有害事象の発生、譲渡/紛失の有無、残薬の扱い、妊娠、有害事象などに関する情報収集を医師・薬剤師から行う。結果は定期的に集計し報告するとともに、有害事象に関する情報共有を可能にする。入力済みの事項は、後日ダウンロード・印刷可能とし、適切な安全管理を実施していた旨を証明するなど、医療機関におけるサリドマイドの安全管理を支援するツールとしての性格を明確にする。
当初SMUDがRiskMAPにおける役割として期待できるのは「情報収集システムへの参加を求めること」を通じた「注意喚起」と、ガイドラインで求められている安全管理のための諸方策の評価であったが、「薬監証明の発給過程においてSMUDの活用を検討したい」との厚生労働省の意向を受けてSMUDは「条件付使用許可」のためのツールとしても機能することになった。また、未承認薬一般に関しては、安全性に関する情報の共有化がSMUDの主たる機能である。
当初SMUDがRiskMAPにおける役割として期待できるのは「情報収集システムへの参加を求めること」を通じた「注意喚起」と、ガイドラインで求められている安全管理のための諸方策の評価であったが、「薬監証明の発給過程においてSMUDの活用を検討したい」との厚生労働省の意向を受けてSMUDは「条件付使用許可」のためのツールとしても機能することになった。また、未承認薬一般に関しては、安全性に関する情報の共有化がSMUDの主たる機能である。
結論
SMUDは、UMIN上におかれたシステムであり、日本臨床血液学会のガイドラインに沿って、患者の登録・安全管理の情報を収集する。SMUDはWebによる一元管理を通じて「注意喚起」「安全管理実施の評価」「条件付使用」のためのツールとして機能する。未承認薬一般に関するSMUDの主たる機能は情報の共有化への貢献である。
公開日・更新日
公開日
2006-05-08
更新日
-