がん診療施設の機能評価基準策定に関する研究

文献情報

文献番号
200500119A
報告書区分
総括
研究課題名
がん診療施設の機能評価基準策定に関する研究
課題番号
H17-特別-020
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
坪井 栄孝(財団法人日本医療機能評価機構)
研究分担者(所属機関)
  • 高原 亮治(財団法人日本医療機能評価機構)
  • 今中 雄一(京都大学大学院医学研究科医療経済学分野)
  • 土屋 了介(国立がんセンター中央病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在、がんは日本人の死因のトップで、その診療には多くの医療機関が携わるが、がん診療には大きな地域格差や医療機関格差が存在することが指摘され、政府ではがん医療水準の均てん化を戦略目標として挙げている。
本研究では、医療機関におけるがん診療機能評価の体系策定のための基盤づくりを目的として、評価体系暫定案を構築した。さらに、この体系自体の検証と改善に資するべく、そして、がん診療機能の均てん化に関する基礎資料として資するべく、その評価体系暫定案を用いて全国レベルで多施設実態調査を行った。
研究方法
本研究は、がん診療機能評価のための妥当的な評価指標体系暫定案の構築、およびそれを活用して行う、 わが国の医療機関のがん診療機能の実態把握である。がん診療機能のための要件を診療組織・体制、診療プロセス、数量的な実績指標に分け、地域がん拠点病院、地域がん診療連携拠点病院の要件、評価機構評価体系など国内外のがん診療の機能評価に関する資料、専門家の意見や学会等からの情報、面談などを参考として、がん診療機能評価の評価指標体系暫定案を構築した。また、構築された体系を基に「がん診療機能実態調査」のための調査票を作成し、地域のがん診療において中核的な役割を担う医療機関を対象として、「がん診療機能実態調査」を実施した。
結果と考察
 当調査結果は、医療機関により診療の体制やプロセスに大きな違いがあることを示唆した。地域連携・診療間連携・診療の標準化・がん診療の専門家の確保などに今後解決するべき問題が存在することが示唆された。ただし、がん診療の提供体制や提供内容は、地域のニーズや病院の役割により大きく異なるので、この結果は注意深く解釈しなくてはならない。がん診療の均てん化には、地域の医療機関の役割分担が自他共に明確に認識され、地域全体として統制の取れた診療体制を構築する必要がある。今後は、日本におけるがん診療のあり方に関する議論と評価を、専門医・初期診療に携わる医師・コメディカル・患者や家族・有識者などで広く行う必要がある。
結論
 今回、がん診療における、評価指標体系暫定案とそれに基づく実態調査の結果を得ることができた。医療機関により様々な機能を備えていることを明示できた。今後より妥当的な評価指標体系の構築が期待され、さらなる研究および実態調査が重要である。

公開日・更新日

公開日
2006-10-17
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200500119C