文献情報
文献番号
200500111A
報告書区分
総括
研究課題名
バイオジェネリックの品質・有効性・安全性評価法に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H17-特別-030
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
川西 徹(国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部)
研究分担者(所属機関)
- 新見伸吾(国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部)
- 早川堯夫(医薬品医療機器総合機構生物系審査部)
- 川崎ナナ(国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部)
- 荒戸照世(医薬品医療機器総合機構生物系審査部)
- 鹿野真弓(医薬品医療機器総合機構生物系審査部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
欧米において開発の動きが急であり、また我が国においても承認申請が間近であるバイオジェネリック(バイオ後発品)について、我が国の規制環境に適した品質・有効性・安全性評価法の確立を目指した研究を行った。
研究方法
バイオ後発品の評価に関連する米国FDA、EMEA/CPMPの関連文書、欧米の関連情報、またバイオテクノロジー応用医薬品の品質、有効性、安全性確保を図る過程で蓄積されてきた経験や知見、さらに製造方法の変更に関連するICH文書の関連部分、さらには関連学術論文等をもとに、バイオジェネリック評価法を検討・考察した。
結果と考察
1. バイオジェネリックの申請状況の調査: 欧州ではバイオジェネリックの規制上の扱いを定め、第一号の承認は間近である。一方米国ではバイオジェネリックの承認の可否が政治問題化しており、決着までには時間がかかるものと思われるが、評価法に関する科学的議論は進めている。
2. バイオジェネリックの品質・有効性・安全性評価の原則: 評価の基本原則は、先発メーカーの製法変更時の評価と同様である。ただし比較すべき原薬の標準物質の入手が困難である。インスリン等の単純タンパク質においてはバイオ後続同等・同質製品の開発、評価は比較的容易であるが、糖タンパク質等では目的物質が同じ製品は現実的にはないので、バイオ後続同種・同効製品と考え開発、評価にあたる方が合理的と考えられる。
3. バイオジェネリックの品質特性解析: タンパク質性の構造あるいは機能解析技術は長足の進歩を遂げており、品質レベルでの同等・同質性評価に極めて有効な手段を提供する。
4. バイオジェネリックの同等性・同質性評価における臨床PK, PD, PK/PD試験: 同等・同質性評価においては、臨床PK. PD, PK/PD試験を活用する必要がある。
5. バイオジェネリックの非臨床同等性・同質性評価試験: 生物学的特性の同等性・同質性試験として、および臨床試験の実施にあたっての安全性の確認に必要な場合がある。
6. バイオジェネリックの臨床同等性・同質性評価試験: ケースバイケースであるが有効性に関する同等性・同質性試験が必要になる場合もある。また抗原性等の臨床安全性の確認は必要であろう。安全性に関してはさらに市販後の調査が重要である。
2. バイオジェネリックの品質・有効性・安全性評価の原則: 評価の基本原則は、先発メーカーの製法変更時の評価と同様である。ただし比較すべき原薬の標準物質の入手が困難である。インスリン等の単純タンパク質においてはバイオ後続同等・同質製品の開発、評価は比較的容易であるが、糖タンパク質等では目的物質が同じ製品は現実的にはないので、バイオ後続同種・同効製品と考え開発、評価にあたる方が合理的と考えられる。
3. バイオジェネリックの品質特性解析: タンパク質性の構造あるいは機能解析技術は長足の進歩を遂げており、品質レベルでの同等・同質性評価に極めて有効な手段を提供する。
4. バイオジェネリックの同等性・同質性評価における臨床PK, PD, PK/PD試験: 同等・同質性評価においては、臨床PK. PD, PK/PD試験を活用する必要がある。
5. バイオジェネリックの非臨床同等性・同質性評価試験: 生物学的特性の同等性・同質性試験として、および臨床試験の実施にあたっての安全性の確認に必要な場合がある。
6. バイオジェネリックの臨床同等性・同質性評価試験: ケースバイケースであるが有効性に関する同等性・同質性試験が必要になる場合もある。また抗原性等の臨床安全性の確認は必要であろう。安全性に関してはさらに市販後の調査が重要である。
結論
我が国の規制環境に適したバイオジェネリックの品質・有効性・安全性評価法について考察した。
公開日・更新日
公開日
2006-05-08
更新日
-