文献情報
文献番号
200500104A
報告書区分
総括
研究課題名
強毒株ウイルスを原材料とする不活化ポリオワクチンの有効性と安全性の評価に関する研究
課題番号
H17-特別-025
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
宮村 達男(国立感染症研究所ウイルス第二部)
研究分担者(所属機関)
- 高橋 元秀(国立感染症研究所細菌第二部)
- 堀内 善信(国立感染症研究所細菌第二部)
- 武田 直和(国立感染症研究所ウイルス第二部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
高い接種率を維持するためには、現在諸外国で用いられている強毒株IPV(wIPV)の導入も視野に入れ,日本のポリオコントロールの選択肢を広げておく必要がある。新たなワクチンを導入するためには、製剤の品質規格を作成した上で、臨床試験でヒトへの有効性安全性を確認していくこととなる。wIPVについては、品質管理上、科学的考証が必要であることから、その安全性、有効性の評価に関する科学的知見を集積することを目的とする。
研究方法
現在、海外で市販されているDTaP、DTaP-wIPV、およびwIPVと、国産DTaPとの局所反応原性を比較、評価した。DTaP-IPV-Hib、DTaP-IPV、DTaP、およびHibを輸入し、国内の生物学的製剤基準に従い、ジフテリアと破傷風トキソイドの力価を測定した。wIPVの免疫原性は、対数等間隔に階段希釈したものをラットの後肢大腿部筋肉内に免疫し、21日後に採血して得られた血清について中和抗体価の測定を行った。
結果と考察
HepB、IPV、Hibの混合によりDTaPのジフテリアトキソイドの力価は大きな影響を殆ど受けない事がわかった。一方、破傷風トキソイドの力価は、HepBやIPVの混合では、破傷風トキソイドをキャリア蛋白として含んでいるHibを混合した場合、破傷風トキソイドの力価は大きく上昇した。DTaP-wIPVについて、特に局所反応原性に注目して国内のDTaP-sIPV試作品との動物モデルによる比較・評価を行ったが、安全性についての顕著な問題は検出されなかった。
結論
海外のwIPVには明確な局所反応原性は確認されなかった。しかし海外のDTaPワクチンは、国産ワクチンに比べて非常に強い局所反応原性を有する可能性が示唆された。
公開日・更新日
公開日
2006-04-27
更新日
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