新たな公衆衛生の潮流に即した地域保健計画及び関連指針等の策定に資する調査・研究

文献情報

文献番号
200500100A
報告書区分
総括
研究課題名
新たな公衆衛生の潮流に即した地域保健計画及び関連指針等の策定に資する調査・研究
課題番号
H17-特別-023
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
林 謙治(国立保健医療科学院)
研究分担者(所属機関)
  • 稲葉 一人(科学技術文明研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「地域健康危機管理計画策定指針」、「地域保健計画策定マニュアル」、「健康課題の分析及び優先課題の選定に係る技術指針」、「公衆衛生上問題のあると考えられる死体の死因調査のスキーム」の基本的な方向性と記載すべき具体的な内容を整理・分析し、地域保健対策を効果的かつ効率的に推進するための具体的な方法論を明らかにする。
研究方法
過去の厚生労働科学研究報告書や文献を収集・分析し、わが国及び諸外国における実態を調査した。そして指針、マニュアル、技術指針、スキームに記載すべき事項を、それぞれ整理・分析した。また地域保健対策を効果的かつ効率的に推進するための具体的な方法論や整備すべき体制を検討した。
結果と考察
・地域健康危機管理計画の記載事項として、健康危機発生前(平常時の監視、意識啓発、関係機関との連携、情報、研修・訓練など)、健康危機発生時点(情報入手時の対応、関係機関との連携、現地調査、情報、現場での措置など)、健康危機発生後(情報、医療の確保、関係機関との連携、災害弱者対策、こころのケアなど)が必要であり、特に健康危機管理の重要な要素である情報に関する記載事項を充実させる必要がある。
・都道府県健康増進計画は、計画の理念や目標は設定されているが、それらを具体化する事業計画や実施計画がほとんど策定されていなかった。また医療計画では、住民参加の仕組みが十分に確保されていないなど、計画策定や執行過程の問題がみられた。これらの問題点を解決する手法として、企業の経営改善手法でもあるバランスド・スコアカード(Balanced Scorecard)が、地域保健計画の策定に有効である。
・死因調査のスキームでは、司法型の仕組みと医療型(病院内での死亡事故を中心とした)の仕組みを組み合わせること、死因究明を担当する機関は、死亡事例に対する調査権限を持つこと、死亡事例の動向を監視するために、解剖・死因究明機関とは違った担当者を置くこと、遺族の法的な地位を明確にし、遺族を保護するための的確な仕組みを構築すること、死因究明等の手続きで明らかになった(医療供給)体制面の問題について、的確に政府機関に報告され、公表される仕組みを構築することが必要である。
結論
国レベルで作成した指針、マニュアル、技術指針、スキームを地域で活用することによって、地域保健対策の効果的かつ効率的な推進が可能になることが示唆された。

公開日・更新日

公開日
2006-04-26
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200500100C

成果

専門的・学術的観点からの成果
保健所を中心として、地方衛生研究所の支援と関係機関との連携に基づいた健康危機管理システムを構築するためのガイドライン、地域の保健医療資源を調整して必要な地域保健対策を効果的に進めるための地域保健計画策定マニュアル、地域保健計画において各種健康課題への優先度を明確にしたあるべき方向性を総合的に記載するための技術的指針の具体的な内容が明らかとなった。今後はこれらのガイドライン、マニュアル、指針を実際の地域保健対策に活用することによって、わが国の保健医療行政の発展に寄与する。
臨床的観点からの成果
本研究の成果である「地域健康危機管理計画策定指針」、「地域保健計画策定マニュアル」、「健康課題の分析及び優先課題の選定に係る技術指針」、「公衆衛生上問題のあると考えられる死体の死因調査のスキーム」を用いた教育研修プログラムを、平成18年度より国立保健医療科学院において実施する予定である(専門課程必修・選択科目、特別課程「健康政策開発コース」、特定研修「健康危機管理保健所長等研修」など)。これによって保健所職員等の健康危機管理、地域保健計画策定の能力・技術を向上させることが可能となる。
ガイドライン等の開発
平成17年5月23日の厚生労働省健康局の「地域保健対策検討会中間報告」を受けて実施された本研究では、「地域健康危機管理計画策定指針」、「地域保健計画策定マニュアル」、「健康課題の分析及び優先課題の選定に係る技術指針」、「公衆衛生上問題のあると考えられる死体の死因調査のスキーム」の具体的内容を明らかにした。今後も各種検討会等にこれらを提供することによって、効果的かつ効率的な地域保健対策の推進に寄与することが期待される。
その他行政的観点からの成果
本研究で作成された「地域健康危機管理計画策定指針」、「地域保健計画策定マニュアル」、「健康課題の分析及び優先課題の選定に係る技術指針」、「公衆衛生上問題のあると考えられる死体の死因調査のスキーム」は、厚生労働省医政局の「医療計画作成ガイドライン」と整合性のあるものとして位置づけられることが期待される。
その他のインパクト
特になし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-05-26
更新日
-