文献情報
文献番号
200500093A
報告書区分
総括
研究課題名
C型肝炎治療の中断防止ガイドラインについて
課題番号
H17-特別-009
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
林 紀夫(大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学)
研究分担者(所属機関)
- 清澤研道(信州大学医学部内科学第二講座)
- 岡上 武(京都府立医科大学大学院医学研究科消化器病態制御学)
- 熊田博光(国家公務員共済連合会虎の門病院)
- 井廻道夫(昭和大学医学部第二内科)
- 加藤道夫(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター消化器科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
わが国ではC型慢性肝炎に対して1992年から6ヶ月間のインターフェロン(IFN)単独治療が多数の患者を対象に施行されている。さらに、2002年からは6ヶ月の投与期間制限が撤廃され、2005年の自己注射の承認ともあいまってより長期の治療が行われている。一方、新型のPEG-IFNは2003年よりPEG-IFN-2a製剤が単独治療として、またPEG-IFN-2b製剤がリバビリンとの併用治療として使用されている。また、リバビリン併用治療は2001年から従来のIFN単独治療に比べ難治例の著効率を2倍近く上昇させる画期的な治療法として多くの症例に対して行われてきた。本研究課題では、安全にIFNあるいはIFN・リバビリン治療を完遂するために、投与に伴う副作用について明らかにし、実地医家に利用しやすい有効な対処法を明示することを目的に研究を行った。
研究方法
日本人を対象にした開発治験および市販後の副作用データをもとに、わが国におけるC型肝炎に対する抗ウイルス治療の副作用の調査を行った。これらの副作用の出現を未然に防ぐ減量基準、副作用出現時の標準的な対処法について班内で討議した。
結果と考察
C型慢性肝炎に対して効果的な抗ウイルス治療を行うためには、IFN製剤やリバビリン製剤を24週間あるいは48週間の長期にわたって投与する必要がある。IFN治療ではインフルエンザ様症状、白血球減少、血小板減少、皮膚症状、うつ症状、間質性肺炎、糖尿病、甲状腺機能異常、眼底出血などの特有の副作用が種々の頻度で出現する。また、リバビリン治療では貧血や催奇形性が問題となる。このなかで間質性肺炎や急激な血小板減少はきわめて重篤な副作用である。また、たとえ非重篤であっても副作用の出現は治療中止や患者要因による治療の中断に直結しやすい。抗ウイルス治療の治療効果に寄与する因子はウイルス側の要因(遺伝子型やウイルス量)および宿主側の要因(年齢や線維化の程度)以外に、治療継続の可否がきわめて強い因子である。これらの副作用への対処法を「C型肝炎治療の中断防止ガイドラインについて」に記載した。
結論
わが国におけるC型肝炎に対する抗ウイルス治療の副作用について調査した。これらの副作用の出現を未然に防ぐ減量基準、副作用出現時の標準的な対処法を示した。
公開日・更新日
公開日
2006-05-09
更新日
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