文献情報
文献番号
200500092A
報告書区分
総括
研究課題名
C型肝炎の診療ガイドライン策定について
課題番号
H17-特別-007
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
小俣 政男(東京大学医学部附属病院消化器内科)
研究分担者(所属機関)
- 吉田 晴彦(東京大学医学部附属病院消化器内科)
- 建石 良介(三井記念病院消化器内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、最新の知見とエビデンスに基づいたC型肝炎診療ガイドラインを作成することを目的としている。
研究方法
これまでに発表されている内外のC型肝炎診療ガイドライン(C型肝炎ウイルスの感染者に対する治療の標準化に関する研究報告書、慢性肝炎診療マニュアル、コンセンサス肝疾患治療2004、アメリカ肝臓学会、ヨーロッパ肝臓学会、アジア太平洋肝臓学会の診療ガイドライン)の詳細を検討した。そこから抽出した項目について、比較対象表を作成し、項目ごとに診断・治療指針を示した。
結果と考察
各ガイドラインから抽出した67項目について比較対象表を作成し、全体をC型肝炎の自然史、C型肝炎の予防・カウンセリング、C型肝炎の検査、C型慢性肝炎の治療の4章に分け、ガイドラインを作成した。各ガイドラインで触れられているエビデンスについては、出来る限り原典に当たることを原則とし、エビデンスレベルの高い指針となるよう配慮した。
C型肝炎の自然史においては、肝硬変からの肝癌発生について本邦では7%と高率であるとの認識であるのに対し、欧米では、1-4%と比較的低率であり、内外での病態の違いを示唆していると考えられた。C型肝炎の予防・カウンセリングにおいては、性交渉・出産等におけるC型肝炎の感染リスクについて、海外のガイドラインでは詳細に記載されていたのに対し、国内のガイドラインでは、ほとんど触れられていなかった。静注薬物常用者のカウンセリングについても国内のガイドラインでは、触れられていなかった。C型肝炎の検査においては、スクリーニングの対象者に内外で大きな異同は、なかった。C型肝炎の治療については、ペグインターフェロン+リバビリンの認可前と認可後に発表されたガイドライン間で標準治療に異同が見られたが、内外の治療成績には、大きな異同はなく、Genotype 1型及び非1型においてペグインターフェロン+リバビリン併用療法を標準治療としてよいと考えられた。インターフェロン療法以外の肝庇護療法については、国内のガイドラインでは詳細な記述が見られたが、海外のガイドラインでは、ほとんど触れられていなかった。
国の内外で特に標準治療について異同が見られた。今後、科学的エビデンスに基づいた分かりやすい治療指針が作成される事が望ましい。
C型肝炎の自然史においては、肝硬変からの肝癌発生について本邦では7%と高率であるとの認識であるのに対し、欧米では、1-4%と比較的低率であり、内外での病態の違いを示唆していると考えられた。C型肝炎の予防・カウンセリングにおいては、性交渉・出産等におけるC型肝炎の感染リスクについて、海外のガイドラインでは詳細に記載されていたのに対し、国内のガイドラインでは、ほとんど触れられていなかった。静注薬物常用者のカウンセリングについても国内のガイドラインでは、触れられていなかった。C型肝炎の検査においては、スクリーニングの対象者に内外で大きな異同は、なかった。C型肝炎の治療については、ペグインターフェロン+リバビリンの認可前と認可後に発表されたガイドライン間で標準治療に異同が見られたが、内外の治療成績には、大きな異同はなく、Genotype 1型及び非1型においてペグインターフェロン+リバビリン併用療法を標準治療としてよいと考えられた。インターフェロン療法以外の肝庇護療法については、国内のガイドラインでは詳細な記述が見られたが、海外のガイドラインでは、ほとんど触れられていなかった。
国の内外で特に標準治療について異同が見られた。今後、科学的エビデンスに基づいた分かりやすい治療指針が作成される事が望ましい。
結論
国の内外のガイドラインの比較検討及びエビデンスの検討を通じてC型肝炎の診療ガイドラインを作成した。
公開日・更新日
公開日
2015-06-03
更新日
-