科学研究費研究計画書の電子申請におけるセキュリティおよび個人情報保護に関する研究

文献情報

文献番号
200500091A
報告書区分
総括
研究課題名
科学研究費研究計画書の電子申請におけるセキュリティおよび個人情報保護に関する研究
課題番号
H17-特別-006
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
山崎 力(東京大学大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 山本 健二(国立国際医療センター研究所)
  • 梶尾 裕(国立国際医療センター内分泌代謝科)
  • 磯野 威(国立保健医療科学院研究情報センター)
  • 安田 英典(城西大学理学研究科数学専攻)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
14,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
インターネットはすでに世界規模となり、国内国外を問わず攻撃されることが日常となっている。一方厚生科学研究費補助金研究計画書は、申請者の個人情報に属するデータに加え、研究方法など内容自身が知的財産であり、保護すべき情報が多々存在する。本研究は、従来の研究計画書応募から審査に至るまでの段階で、個人情報保護法に基づいた対応が取れていることを電子申請の実運用で検証することを目的として,以下のテーマについて研究を行った。
目的明確化と利用制限,収集制限と個人認証,安全保護,計画書訂正の際の個人情報保護,電子申請システムの実運用,研究成果データベースとの整合性の検証と知的財産権の検討.
研究方法
本研究の各テーマは以下のように遂行した.
1)目的明確化と利用制限: 利用目的を特定化したシステム、本人の同意なく第三者が利用できないシステムを開発するための検討を行った。
2)収集制限と個人認証:電子申請された研究計画書には、ウイルスや検索ロボットなどが潜んでいる可能性があるため、この受付を遮断するようなシステムを開発するとともに、各研究者が対応可能な個人認証の在り方を提案した。
3)安全保護:情報セキュリティ対策、物理的なセキュリティ対策について、必要な措置を講じていることをチェックするための手段を検討した。
4)計画書訂正の際の個人情報保護:各研究者による情報書き換え手続きにおける個人情報保護について検討した。
5)電子申請システムの実運用:試行的にある研究事業の申請を新規開発した電子申請システムで行った。
6)研究成果データベースとの整合性の検証と知的財産権の検討:研究成果データベースと研究計画書申請データーベースにおける個人情報保護に関する対策の整合性について検証した。
結果と考察
本研究の成果として報告書を取りまとめるとともに、研究計画書作成支援システム、交付申請書作成支援システムのWEB上での運用を開始した。運用を開始したシステムは現状の申請手順を正確に電子化したものであり、本研究の目的は達成されたものと考えられる。
結論
本研究の成果の活用によって、個人情報の流出や不正利用のない、安心で安全な電子申請システムが一般活用されることとなり、より一層の厚生労働科学研究の振興がもたらされるものと期待される。

公開日・更新日

公開日
2006-04-25
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200500091C

成果

専門的・学術的観点からの成果
英国では研究公募の申請は既に電子化されている。米国NIHは研究公募の申請の電子化に着手しており、2007年度までに全面的に移行する方針である。本研究では、欧米の動向を踏まえながらも、今まで実施されてきた我が国特有の申請システムの電子化と電子申請への移行によって生ずる可能性のあるセキュリティと個人情報保護の問題について研究を行った。さらに、実際にシステム構築を行って研究成果の検証を実施した。
臨床的観点からの成果
研究公募の申請の際に提出される情報には研究者の個人情報や独創性が含まれている。システムの実装によってデータの完全性、信頼性等の維持、利用者アクセス権の厳密な管理等、情報セキュリティに配慮したデータ管理が大きく担保された。
また、研究者がWEB画面の要求に従ってデータを入力していくので、システムが不適合なデータを入力時にチェックすることができる。このため、申請者および申請を審査する側とも作業量の大幅な軽減が可能となった。
ガイドライン等の開発
本研究では既存の研究公募の手順のシステム化を行った。システムでは入力されたデータが公募の要件を満たしているかチェックをおこなっている。開発されたシステムはWEB上で稼働するもので、実際の研究公募において利用可能なものである。また、システムを利用するためのマニュアル類の整備も実施している。開発したシステムは、ガイドラインに準ずるものとしての側面も有している。
その他行政的観点からの成果
本研究において構築したシステムは、平成18年度、「行政政策研究事業」、「こころの健康科学研究事業」など幾つかの研究公募において試用された。また、国立保険医療化学院情報センターで既に運用されている研究成果を公開するためのDBと連動して運用した。研究公募の申請の電子化を行った本研究によって、厚生労働省の研究全体を電子的にマネージメントするための重要な一歩が刻まれたと考える。
その他のインパクト
マスコミ発表などは、特になし。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-09
更新日
-