医療施設内における医療廃棄物処理システムに関する研究

文献情報

文献番号
199700004A
報告書区分
総括
研究課題名
医療施設内における医療廃棄物処理システムに関する研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
辻 吉隆(国立医療・病院管理研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生行政科学研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
1,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
最近の医療機関から発生する廃棄物は、医療機関の機能の多様化と近代化に対応して多種多様になると同時に、廃棄物量そのものの増加をもたらしている。また、ディスポーザブルの医療用具や新素材を使った器具が多く使われるようになり、適正処理困難物が増加し、ダイオキシン等の環境汚染対策が緊急課題となって、従来の自己処理や自治体による回収処理が困難になってきており、本格的な対応が求められてきている。このような社会要請を受け、院内・院外感染を防止し、二次排出物の適正管理をする等、医療管理面及び適正費用等経営管理面から効果的・効率的な院内における医療廃棄物処理システムの開発を行う。
研究方法
平成9年度の研究調査方法として咋年度のメンバーに加え、医療廃棄物処理に対して積極的に取り組んでいる施設及ぴ廃棄物処理システム開発業者の中から代表者の参加を願い、現在の技術で可能な医療廃棄物処理システム及び将来の可能性について調査し、その評価をおこなった。また同時に、東京都内の1O0床以上400床以下の病院に対して、医療廃棄物処理状況についてのアンケート調査をおこなった。100床以上400床の以下の病院は全病院数の約48%を占めるため、その状況を知ることは重要である。(昨年度は400床以上の病院についての調査を行っている。)調査結果から、医療廃棄物の排出状況を施設類型と規模別に把握することにより、適正な医療廃棄物の処理方法を見いだすための手がかりを得ることができた。これらの医療廃棄物の排出状況に対し、メーカー側委員からの処理システムの提案を受け、施設代表委員からの評価を行っている。これらの結果から、(1)医療廃棄物の種別ごとに対する処理システムの対応範囲
(2)処理システムの評価項目ごとの評価マトリックスを作成し、医療廃棄物の院内処理
システムの導入時におけるガイドラインを作成した。
結果と考察
焼却処理に替わる方法を上記結果から検討すると、「炭化処理」と「乾熱滅菌処理」の組み合わせによる方法が次選の処理方法であるあることが判断される。しかし、炭化方式においては、廃棄物処理法とのすり合わせが、まだ不十分であり、焼却炉ではないとの明確な判定がなされていない。また、350℃近傍でのガス焼却時に排出されるダイオキシン対策等についての課題も残されている。また、厨芥類の排出量は一般紙類のゴミに次いで多、この減量化も、医療施設から排出されるゴミ処理の上で大きなウエイトを占めている。方法としては、コンポストや乾燥、又は浄化方式等が考えられる。これらについても、施設ごとに適したシステムを選択していくことが必要であり、その判断、評価方法を示した。
結論
咋年12月の大気汚染防止法と廃棄物処理法の改正を受け、各種の処理システムが提案されてきている。各施設においても、焼却炉に替わる処理システムを模索しており、これらの新しい方法については早急に調査され、評価される必要がある。平成9年度の研究においては、2年度分の研究として、小規模施設の医療廃棄物の排出状況を調査するとともに、現状の医療廃棄物処理システムを調査・分析・評価した。次年度以降の研究において、焼却方式に替わる新しい医療廃棄物処理システムについて検討・評価を進めたい。

公開日・更新日

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