国際NBC防御ネットワークの構築に関する研究

文献情報

文献番号
200500087A
報告書区分
総括
研究課題名
国際NBC防御ネットワークの構築に関する研究
課題番号
H17-国際-101
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
高橋 進(日本大学大学院グローバル・ビジネス研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 菊地 眞(防衛医学研究センター)
  • 白濱 龍興(自衛隊中央病院)
  • 桑原 紀之(自衛隊中央病院健康管理センター)
  • 亀田 俊忠(亀田総合病院)
  • 加來 浩器(陸上自衛隊衛生学校)
  • 松田 晋哉(産業医科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 国際健康危機管理ネットワーク強化研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
7,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
米国同時多発テロ攻撃以降、各国政府は正規軍による衝突より国際テロリストによるNBCを含めたテロ対策に重点を移してきている。本研究において、国際的・恒常的な情報交流を行うための国際的なネットワーク構築に向けた調査研究を行う。
研究方法
調査協力国に対して、聞き取り調査、訪問調査、文献調査を実施。初年度においては①国際安全保障環境の研究②欧州北欧におけるNBC諸施策の実態調査を実施。
結果と考察
国際的な安全保障環境の変化を調査分析し、また、NBC兵器防護に関する諸外国の状況を把握。
1.外交・軍事上の論点
(1)国連等の役割の明確化
(2)国際機関の役割分担
(3)「破綻国家」や国際テロリストグループへの対処
2.医学的・技術的論点
(1)検知同定技術
(2)感染症のサーベイランス
(3)除染
(4)予防診断治療
(5)緊急医療体制の整備
(6)メンタルヘルスケア等のアフターケア
3.管理保管(バイオセキィリティ)
 放射性物質や病原菌・毒素、化学物質についての管理保管体制。
4.専門技術者養成
 NBCテロ防御のための専門家同士の目的意識の共有化、連携。
5.法的・行政的論点
国際空港・港湾における監視体制、出入国審査、検疫通関検査、輸出輸入管理体制の強化と法整備、保管管理施設に対する国内法の整備等。
6.その他
適切な訓練の実施、シナリオの提示、新型インフルエンザや遺伝子組み換え病原体に対する脅威への対応。
以上あげた論点について総合的に施策を推進している国は少ない。
フランスはNBC防護に関する専門技術者の養成で、医師養成課程、専門教育課程、継続研修および放射線防護センターにおける診断治療、除染等の実務および研究が構築されており、大きな参考となった。
結論
各国における危機管理システムは、従来の国家対国家という危機よりも、主義や宗教の違いに基づくもの、および生物化学兵器や放射能を利用した兵器を念頭に、変化してきている。
 また、国民への被害、特に健康被害への対応が重要であり、自治体と国のネットワーク、医療システムの改革や、予防とともに結果管理(Consequence Management)の考え方が重要であること、などが指摘できる。今後、国際機関、二国間、研究者間、民間ベースなど様々なレベルでの情報ネットワークの構築が可能であると考えられ、引き続き調査研究が必要である。

公開日・更新日

公開日
2007-07-06
更新日
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