国際的な感染症流行等の発生動向の監視システムのあり方、非政府機関とのネットワークのあり方、国際機関との連携や情報共有システムのあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200500082A
報告書区分
総括
研究課題名
国際的な感染症流行等の発生動向の監視システムのあり方、非政府機関とのネットワークのあり方、国際機関との連携や情報共有システムのあり方に関する研究
課題番号
H16-国際-101
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
岡崎 勲(東海大学医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 渡辺 哲(東海大学医学部)
  • 木ノ上 高章(東海大学医学部)
  • 古屋 博行(東海大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 国際健康危機管理ネットワーク強化研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
発展途上国においては、限られた資源を有効に投入するために、国民の健康状況を把握し、優先順位をつけて保健医療システムを再構築すべきであるが、保健医療統計が未整備で、国民の医療需要構造を把握する手段がない。本研究は、「国際機関、各国政府機関、非政府機関等との連携や情報共有のあり方を研究するとともに、発展途上国における国民の保健医療需要構造の把握・将来予測の手法を導入することにより、発展途上国における適切な保健医療計画の策定、保健医療システムの再構築・施策評価を推進する」ことを企図する。
研究方法
1)国際機関、各国政府機関、非政府機関等との連携・情報共有システムのあり方に関する研究と、その実証研究としての2)感染症流行等の発生動向監視システム研究開発とに大別される。1)では、非政府機関とのネットワークに関して、日本と同様のアンケート調査をタイ国において行う。アウトリーチ活動として講演会・シンポジウムを開催する。2)の実証モデルは、ラオスにおいてコミュニティーの保健医療需要構造を把握する仕組みを構築するためのパイロットスタディーを行う。
結果と考察
1)マヒドン大学の協力のもと、タイ語版を作成し、620団体に配布した(回収率29.7%)。前年度の日本の結果と比較すると、日本のNGOは感染症情報の収集には熱心だが、情報の提供については消極的な側面が見られた。WHO-WPRO事務局長尾身茂先生の講演会、我々の行っている国際研修会の研修員による国際シンポジウムを開催し、国際機関やNGOの果たす役割について議論した。保健医療の分野でも市民参加の重要性が指摘された。
2)現地にPCを設置してシステム構築の実験を行った。保健医療データの比較的整っておりパイロットサイトに選定された地区でもインターネット環境が整っておらず、携帯電話をコンピューターに接続し、データ通信機能を用いて接続することに成功した。もうひとつは、遠隔地にあるコンピューターからインターネットを介してデータを吸い上げることであり、同一LAN上にある場合には遠隔操作可能だったが、携帯電話を解すると毎回IPアドレスが異なってしまうという現象が起こることからうまく操作できず、今後の課題として残された。
結論
市民社会の保健医療政策に対する参加の必要性が示唆された。感染症情報について、ネットワーク構築はタイを呼び水にできる可能性が示唆された。人材開発、保健医療需要情報の充実を図りつつも、途上国においてはやはりインフラの整備も最小限は必要であろう。

公開日・更新日

公開日
2006-04-17
更新日
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