生活習慣病の日米間における健康障害とその問題に関する研究

文献情報

文献番号
200501369A
報告書区分
総括
研究課題名
生活習慣病の日米間における健康障害とその問題に関する研究
課題番号
H17-国医-001
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
齋藤 康(千葉大学大学院医学研究院)
研究分担者(所属機関)
  • 川上 正舒(自治医科大学附属大宮医療センター)
  • 大内 尉義(東京大学大学院医学系研究科)
  • 山下 静也(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 山本 茂(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部医学部)
  • 島野 仁(筑波大学大学院人間総合科学研究科(医学分野))
  • 松村 康弘(独立行政法人国立健康・栄養研究所)
  • 石川 鎮清(自治医科大学地域医療学センター)
  • 稲垣 暢也(京都大学大学院医学研究科)
  • 武城 英明(千葉大学大学院医学研究院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 国際医学協力研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
14,827,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、1966年より発足した日米医学協力計画事業における栄養代謝研究部門として現在まで継続して行われ、日本、米国および東南アジア諸国における栄養代謝に関わる様々な諸問題に焦点を当てて調査研究することを目的とする。今年度から実施された本研究事業は以下の項目を計画目標とした。日本、アジア地域における1)栄養と疾患発症、進展ならびに予後との関係を明らかにする。2)遺伝子、血中代謝および分子マーカーを用いた各地域における疾患の相違点に関する機序解明をおこなう。これらの研究成果を基盤に、生活習慣病の予防や治療のための継続研究計画を探索する。
研究方法
肥満症、糖尿病および関連した代謝疾患(脂質代謝異常および動脈硬化症を含む)を研究対象とした。それぞれの問題点を解明するために、栄養疫学、分子遺伝学、代謝学ならびに臨床病態研究などによるアプローチを行う。
結果と考察
我が国およびアジア地域、とりわけベトナムにおける生活習慣病の疫学調査、また疾患モデルを用いた生活習慣病、動脈硬化の機序解明により、日米間における健康障害とその問題を解決するために、生活習慣病における肥満とその合併症、メタボリックシンドロームが重要であることが明らかになった。特に、異なった生活習慣を有する地域間で病態を解明し、それぞれで比較検討することが、これらの疾患の予防および治療を探索するために有用である。このような観点から、1)アジア、とりわけ急速な発展とともに食生活が変化し、栄養に関わる諸問題が顕在化したベトナムをアジア地域の中心にした疫学調査を実施することが有用であること、2)日本、米国およびベトナムにおける肥満症、糖尿病およびこれらに関連した代謝疾患、とりわけ近年日米両国で問題化されているメタボリックシンドロームの疫学調査を比較検討することの重要性が示された。
結論
今年度得られた研究成果を用い、来年度、日米医学協力計画事業における栄養代謝研究部門で計画されるベトナムにおけるメタボリックシンドロームに関する疫学研究の計画に結びつける。来年度より栄養代謝部会で開始される予定である異なった地域における栄養代謝に関わる健康障害である、肥満症、肥満合併症およびメタボリックシンドローム、動脈硬化症、加齢にともなう代謝異常の多国間比較研究により得られる成果は、これらの栄養代謝疾患の予防治療法の探索を可能にすることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2011-05-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200501369C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究は、1966年より発足した日米医学協力計画事業における栄養代謝研究部門として現在まで継続して行われ、日本、米国および東南アジア諸国における栄養代謝に関わる様々な諸問題に焦点を当てて調査研究を継続してきた。今年度実施された、日本、アジア地域における1)栄養と疾患発症、進展ならびに予後との関係。2)遺伝子、血中代謝および分子マーカーを用いた各地域における疾患の相違点に関する研究成果は、広い地域で顕著化している栄養不足と過栄養の混在した健康障害にかかわる問題点を明らかにする。
臨床的観点からの成果
我が国およびアジア地域、とりわけベトナムにおける生活習慣病の疫学調査、また疾患モデルを用いた生活習慣病、動脈硬化の機序解明により、生活習慣病における肥満とその合併症、メタボリックシンドロームが重要であることが明らかになった。特に、異なった生活習慣を有する地域間で病態を解明し、それぞれで比較検討することが、これらの疾患の予防および治療を探索するために有用である。
ガイドライン等の開発
継続して予定されるアジア地域における生活習慣病の病態と合併症の疫学調査により、現在地域により異なった生活習慣病に関わるガイドラインについて、臨床的観点、地域における特性を考慮した見直しが可能となる。とりわけ、近年注目されているメタボリックシンドロームの診断に基づく予防、治療に関わるガイドラインの作成、改訂に本研究成果が多大な貢献をすることが考えられる。
その他行政的観点からの成果
本研究は、1966年より発足した日米医学協力計画事業における栄養代謝研究部門として現在まで継続して行われ、日本、米国および東南アジア諸国における栄養代謝に関わる様々な諸問題に焦点を当てて調査研究することを目的としたものである。これまでの日米医学協力計画研究の一環として行政的指導のもと計画され実行されている研究である。
その他のインパクト
今年度12月28、29日の両日、ベトナムハノイ国立栄養研究所と共同で、ホーチミンシティー、ハノイで、医療従事者を対象にした公開講演会を実施した。両日ともに、200-300名の参加者のもとで、生活習慣病、メタボリックシンドロームの概念、予防について講演を行った。国立栄養研究所と討議の上で、今後ベトナムにおけるメタボリックシンドロームの疫学調査を共同で実施することを決定した。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
3件
ベトナム一般公開講演会ホーチミンシティ12月28日、ハノイ12月29日、米国日米医学協力計画栄養代謝部会定例講演会シアトル3月24日

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-08
更新日
-