文献情報
文献番号
200500061A
報告書区分
総括
研究課題名
貧困・低所得者層に対する就労支援と社会的自立に関する開発研究
課題番号
H17-政策-019
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
丹波 史紀(福島大学行政政策学類)
研究分担者(所属機関)
- 山田 壮志郎(岐阜経済大学 経済学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
1,260,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、生活保護世帯・母子世帯・ホームレスなどの貧困・低所得者層を対象に、就労支援プログラムを具体的な政策実施場面に即して評価し、社会的自立に向けた課題を検証することを目的としている。その際、就労支援策を単なる政策レベルの評価にとどめず、実際の社会福祉援助場面に焦点をおき、自立阻害要因を分析し社会的自立に向けた総合的・重層的支援プログラムの開発をねらいとしている。
研究方法
研究方法として、自立支援プログラムに関する各自治体の進捗状況を確認することを中心に、全国的な調査と実施機関や関係諸団体・施設へのヒアリング調査を行った。またホームレスや多重債務者など、個別の対象に対する調査研究も行った。
結果と考察
自立支援プログラムに関するアンケート調査の結果、有効回収率が全体で95.9%と非常に高い回収率となった。調査の結果、就労支援プログラムはほとんどの自治体で実施している一方で、就労支援以外の個別支援プログラムの実施率が一割程度と低調なのが確認できた。
さらにホームレスの自立支援センターの退所者データ(486名)をもとにした調査研究では、主な退所理由となる4つのグループにも年齢と生活歴により差異があるという特徴がみられ、自立支援センター事業の就労支援プログラムが必ずしも効果的でないものになっている背景には、これまでの職業的なキャリアが、現在の雇用環境にマッチしていないことが明らかになった。
また借金問題を抱える多重債務問題の国際的な動向とその対応では、アメリカでは多重債務者への支援プログラムの開発が先行しており、低所得者とマイノリティに対する家計管理教育プログラムFinancial Links for Low-Income People(FLLIP)などがある。またイギリスでは、若年ホームレスの多重債務問題に対し政府や消費者団体等による調査研究や支援が近年盛んに取り組まれていることが確認できた。
さらにホームレスの自立支援センターの退所者データ(486名)をもとにした調査研究では、主な退所理由となる4つのグループにも年齢と生活歴により差異があるという特徴がみられ、自立支援センター事業の就労支援プログラムが必ずしも効果的でないものになっている背景には、これまでの職業的なキャリアが、現在の雇用環境にマッチしていないことが明らかになった。
また借金問題を抱える多重債務問題の国際的な動向とその対応では、アメリカでは多重債務者への支援プログラムの開発が先行しており、低所得者とマイノリティに対する家計管理教育プログラムFinancial Links for Low-Income People(FLLIP)などがある。またイギリスでは、若年ホームレスの多重債務問題に対し政府や消費者団体等による調査研究や支援が近年盛んに取り組まれていることが確認できた。
結論
自立支援プログラムについては、平成17年度より実施されたため、就労支援プログラムが先行して実施されていることが確認できたが、今後、「日常生活自立」や「社会生活自立」に関わる効果的な個別支援プログラムの開発・実施が課題となる。
またホームレス問題や多重債務問題を抱える人たちへの支援プログラムの実施にあたっては、効果的な支援プログラムを確立して提供すること、そして専門職、関連職種、地域の社会資源(NPO等)との連携が求められている。
今後、就労以外の日常生活や社会生活に関わる支援がいかに効果的に行われたかが課題といえる。
またホームレス問題や多重債務問題を抱える人たちへの支援プログラムの実施にあたっては、効果的な支援プログラムを確立して提供すること、そして専門職、関連職種、地域の社会資源(NPO等)との連携が求められている。
今後、就労以外の日常生活や社会生活に関わる支援がいかに効果的に行われたかが課題といえる。
公開日・更新日
公開日
2006-04-03
更新日
-