欧米で繁用されている食品添加物に係る安全性評価のあり方に関する調査研究

文献情報

文献番号
199700001A
報告書区分
総括
研究課題名
欧米で繁用されている食品添加物に係る安全性評価のあり方に関する調査研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
戸部 満寿夫((財)日本公定書協会)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生行政科学研究事業
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
800,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食生活の多様化、食品流通の国際化により、我々の食料に占める輸入食品の比率は上昇しており、昭和62年度よりわが国の食料自給率はカロリ-ベ-スで50%を割り込んでいる。平成 7年度で見ると米は自給率103%と十分であるが、他の食用農産物の自給率は42%と先進国の中でも異常に低い。このように輸入食品に依存する率が高いので、国民の健康を守る上でも輸入食品の安全確保が最重要の課題となる。輸入検査においては然しながら、違反率の最も高いのは添加物の不正使用によるものであり、平成 8年度は全違反の57.4%を占め、有毒有害物質や微生物汚染等による不衛生食品による違反の33.9%を著しく凌駕している。外国で安全であるとして使用された添加物を含む食品でわが国で不合格となる問題について原点に立ち戻って検討する必要があると考える。主として欧米では許可使用されておりわが国では不許可の添加物について、基礎的な検討を行うものとする。
研究方法
過去 5年間の輸入検査において指定外添加物の使用又は使用基準違反と判定された主として欧米で使用されている添加物について調査し、これらについてタ-ル色素を除く品目についてその食品添加物に関する有用性の資料を集め、諸外国における使用状況について検討し、わが国において不許可とされている事情についても可能な限り追跡した後、JECFAによる安全性の確認状況を参考にしつつ、添加物としての安全性評価のありかたについて調査研究を行う。
結果と考察
欧米で繁用され、わが国で使用が認められていないか、使用が制限されている添加物30数品目について検討した結果、合計12品目をそれらの添加物としての有用性、わが国における制限の現状、わが国において使用が制限されている理由、JECFAを中心とした安全性の評価の現状についてまとめた結果を報告する。
1.乳化剤:ステアリン酸カルシウムはタブレット食品の円滑な製造に有用である。ポリソルベ-トは幅広いHLBを有し、JECFAによる安全性の確認作業を終了している 2.酸化防止剤:アメリカ及びアジア諸国で繁用されているTBHQの安全性についてはさらに慎重に検討する必要がある。
3.保存料:ナタマイシンの安全性についてはJECFAで確認されている。ナイシンはJECFAで安全性の確認された保存料であり、缶詰食品のF値の低減およびプロセスチ-ズの膨張に著効を有し、野菜、果実、食肉等の入ったプロセスチ-ズスプレッドのボツリヌス菌の抑制に有効である。
4.強化剤:重要なB群ビタミンの一つであるビオチンについて検討した。酢酸 dl-α- トコフェロ-ルは遊離の dl-α- トコフェロ-ルよりも食品中での安定性が高く、生体内ではほぼ完全にトコフェロ-ルに分解された後、吸収される。ヨウ化カリウムは天然物が既存添加物として認められているが、国際的には化学的合成品がヨウ素強化に繁用されている。
5.製造用剤:固結防止剤としてアメリカで使用されているアルミノケイ酸ナトリウムについては安全性は確認されているが、わが国では同様の性質を有する微粒二酸化ケイ素が指定されている。
結論
欧米で繁用されているが、わが国で使用が禁止され又は制限されている添加物のうち乳化剤、酸化防止剤、保存料、強化剤、製造用剤12品目について添加物の安全性の評価のありかたについて検討した。
天然添加物の安全性評価に当たって食経験が重要な基礎の一つになるが、食経験があっても科学的に十分安全というものでもない。食経験がない合成添加物の場合は、その安全性をJECFAの評価に大きく依存せざるを得なかった。EU,FDAによる安全性の評価並びに認可の状況も参考資料として使用することができた。その他にも国内の最近の学術報告や試験研究機関の依頼試験報告があれば重要な資料として評価できるものと考える。パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸のカルシウム塩、ナトリウム塩はJECFAによる安全性の確認作業が終了しており、ADIも特定しないとされている。ポリソルベ-ト、ナタマイシン、ナイシン、ビオチン、酢酸dl- α- トコフェロ-ル及びヨウ化カリウムについてはJECFAなどにより国際的に安全性が確認されている。

公開日・更新日

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更新日
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研究報告書(紙媒体)