文献情報
文献番号
200500054A
報告書区分
総括
研究課題名
介護予防対策の費用対効果に着目した経済的評価に関する研究―過疎地域町村における介護予防対策事業の経済的・社会的効果と評価指標の考察―
研究課題名(英字)
-
課題番号
H17-政策-009
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
水谷 利亮(高知短期大学 社会科学科)
研究分担者(所属機関)
- 玉里 恵美子(高知女子大学 社会福祉学部)
- 清原 泰治(高知女子大学 文化学部)
- 平岡 和久(高知大学 人文学部)
- 本村 めぐみ(高知女子大学 生活科学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
3,277,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
1.過疎地域自治体・高知県田野町などにおける介護予防事業の経済的効果と社会的効果について現状と課題及び可能性を明らかにすること
2.介護予防事業の経済的効果と社会的効果に関する評価指標を作成すること
3.介護予防事業を地域づくりと密接に関連づけて検証しながら過疎地域で「維持可能な社会」を構想・制度設計するための具体的な方法・モデルを提示すること
2.介護予防事業の経済的効果と社会的効果に関する評価指標を作成すること
3.介護予防事業を地域づくりと密接に関連づけて検証しながら過疎地域で「維持可能な社会」を構想・制度設計するための具体的な方法・モデルを提示すること
研究方法
介護予防事業・介護保険関連の文献研究を踏まえて、高知県田野町をメインのフィールドに設定し、先進的な取り組みを行っている他の地域・自治体である仁淀川町池川地区、長野県朝日村・松本市、及び岩手県滝沢村などでも、保健福祉関係部署・地域の住民グループなどに対するヒアリング調査と資料収集を行いながら、介護予防事業の経済的効果と社会的効果に関する現状と課題と可能性について整理・分析を進め、それらの評価指標を考察した。また、田野町では、具体的に地域における介護予防・健康づくり事業の推進・拡大を支援しながら介護予防事業の効果に関する分析・考察を深めた。
結果と考察
「ソーシャル・キャピタル」論も視野に入れて過疎地域の小規模町村の介護予防事業実施における評価指標を考察して、介護予防事業へのサポーター参加数、介護予防事業へ参加する当事者の多様性、介護予防事業におけるサポーターと当事者の対等性、サポーターなどの養成講座数と養成者数、介護予防事業の地区での広がり、介護予防事業の地区活動の内容展開・発展、介護予防事業のメニューの広がりと数、介護予防事業における保健・福祉事業と生涯学習・体育スポーツ・公民館事業、防災事業との連携・統合度、人口千人当りの要介護認定者割合、市町村別要介護度の変化割合、市町村介護予防事業費用の介護保険サービス換算との比較(差額)、の11項目を仮説として提示した。
結論
小規模町村の介護予防事業では、一定程度介護保険給付費を節約する経済的効果に加えて、地域においてコミュニティを再構築し「ソーシャル・キャピタル」を強化するなどの社会的効果があり、その事業を機軸にしながら社会教育・公民館活動や防災事業、体育・スポーツ事業と連携した地域づくりを行うことで過疎地域において「維持可能な社会」を形成・促進する可能性をもつことが明らかになった。
公開日・更新日
公開日
2006-03-29
更新日
-