文献情報
文献番号
200500032A
報告書区分
総括
研究課題名
生活習慣病の重症化予防に係わる生活習慣病指導のあり方及び評価に関する研究
課題番号
H17-政策-002
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
坂巻 弘之(財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構)
研究分担者(所属機関)
- 池崎 澄江(財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構)
- 北澤 健文(財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成17(2005)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
7,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
生活習慣病指導管理料は算定要件や点数の制約が大きいなど、効果的な生活習慣改善に寄与しているとは言い難い。本研究では、管理料の算定状況と算定における患者への指導・説明内容、外部資源の利用状況などを調査し、効果的な生活習慣指導管理のあり方を検討するとともに、外部資源の有効活用の方策を検討することを目的とした。
研究方法
東京都内の二次保健医療圏に属する一般医、全国の高血圧・糖尿病専門医、訪問看護ステーションのそれぞれに対するアンケート調査を行い、管理料算定状況、算定における問題点、指導に関る時間や資材利用状況ならびに外部資源活用の可能性等について調査した。また、疾病管理企業・組織へのヒアリング調査を行い、指導内容、対象者の種類、医療機関との連携状況等を聴取した。
結果と考察
一般医で管理料を算定しているものは29%であり、指導管理が必要でありながら管理料を算定していないとするものは56%であった。算定しない理由としては「患者の負担増につながる」とする意見が最も多く、今後も算定するつもりはないとの意見が80%であった。高血圧・糖尿病専門医では、管理料を算定しているものは、高血圧24%、糖尿病22%であった。重点的に指導を行うタイミングでの指導に要する時間は高血圧55分、糖尿病136分であった。訪問看護ステーションでは、生活習慣病の重症化予防のための指導を実施している施設は80%であった。企業では、クライアントとして保険者、自治体、医療機関など様々であり、クライアントの違いにより対象者、予防の種類も患者、住民・被保険者、一次・二次・三次予防と異なっていた。効果ある指導のためには、専門スタッフや設備が必要であるが、一般医では院内に十分なスタッフがいない施設も多く、現行の指導管理料が必ずしも質の高い指導を支える仕組みとはなっていないと考えられた。専門職種が指導に参加できる仕組みづくりが必要であり、訪問看護ステーションのような医療機関と連携の実績のある組織が今後この役割を担っていくことの可能性があるものの、指導内容の標準化が重要であると考えられた。
結論
生活習慣病の多くは一般診療所で診療を受けており、一般診療所の医師を中核とした指導を実践できる枠組みを考えるとともに、専門職種が働きやすい条件(医療機関との提携・連携)を整え、これらの連携についての診療報酬のあり方を考えるべきである。
公開日・更新日
公開日
2006-06-02
更新日
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