「たばこ規制枠組条約」を前提とした我が国のたばこ政策の政策評価―特に、規制インパクト分析及びプログラム評価―に関する研究

文献情報

文献番号
200500031A
報告書区分
総括
研究課題名
「たばこ規制枠組条約」を前提とした我が国のたばこ政策の政策評価―特に、規制インパクト分析及びプログラム評価―に関する研究
課題番号
H16-政策-029
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
土井 徹(国立保健医療科学院 研究情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 松本 安生(神奈川大学 外国語学部)
  • 細野 助博(中央大学 総合政策学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
4,690,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
2005年2月に発効した「世界保健機関たばこ規制枠組条約」を受け、我が国で実施されるであろうたばこ政策が社会にもたらすインパクトを多面的に予測・評価し、広く政策決定者や国民に情報提供することにより、国民の健康と経済を守るためのたばこ政策の合理的な政策形成に資することを目的とする。特に市民参加と合意形成のプロセスや未成年者喫煙問題に焦点を当て、地域レベルでの具体的なたばこ政策の推進に寄与する。
研究方法
 今年度は、情報収集を継続しつつ、たばこ対策に関して、実際の事例について、自治体や若年者などを対象とし、いくつかの実態調査を試みた。
 たばこ対策について、特に路上喫煙やポイ捨てについての先駆的かつ重点的な取り組みを行っているA自治体とB自治体とについて、ヒアリングを行った。
 また、特に若年者について、たばこ使用(喫煙)の実態調査を質問紙を用いて行った。
結果と考察
 その結果、市民参加と合意形成という視点から、これら2つの事例における路上喫煙対策の共通点として、1)その背景に市民の強い意見が挙げられている点、2)地域での参加型による取り組みを重視している点、が見出された。
 過料の設定の有無などの違いはあるものの、どちらの自治体でも効果が大きく、路上喫煙者や吸殻のポイ捨てなどが劇的に減少しているということであった。こうした効果を生み出した大きな要因であり、この効果を継続するために大きな役割があるのがこの地域におけるコミュニティの形成と発展と考えられる。
 なお、若年者における喫煙の実態については現在も分析中であるが、平成18年7月に予定されているたばこの増税によるたばこ価格の引き上げについて、特に若年者への影響を評価するため、今回の調査に基づき、比較可能性に留意しつつ、調査実施を検討する予定である。
結論
 自治体の取り組みについて、効果を生み出した大きな要因であり、この効果を継続するために大きな役割があるのが、「地域におけるコミュニティの形成と発展」と考えられた。
 なお、そのための要因等について、どのような構造によってもたらされているかはさらに分析が必要であるため引き続き検討していく予定である。

公開日・更新日

公開日
2006-06-16
更新日
-