医療機関類型ごとの外来診療の実態把握と評価に関する研究

文献情報

文献番号
200500013A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機関類型ごとの外来診療の実態把握と評価に関する研究
課題番号
H15-政策-026
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
伏見 清秀(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医療情報システム学)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
4,620,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
質の高い外来医療を確保するため、施設類型別に診療内容等を把握・分析し、病院経営の合理化、病院機能評価の枠組みとしての活用などについて検討する必要がある。本研究では、現行の診療情報を活用した外来機能評価の方法論を開発し、地域レベルで質の高い医療を国民に提供するための医療連携のあり方とその方法論を明らかとすることを目的とした。
研究方法
医療サービス提供の類型化による外来機能の評価方法の検討として、社会医療診療行為別調査個票から診療行為の発現パターン、医療機関毎の診療区分別平均医療費割合等の視点から医療機関の機能の分析を行った。また、DPCケースミックスシステムを応用して外来診療報酬の評価方法を検討し、さらに、受療距離分析としてGISを用いて受療時間の地域格差、診療科格差等を明らかとした。これらの分析結果を多次元データベースに再構築し、レポーティングツールを用いて分析チャート・ポートフォリオを作成し、外来機能評価データブックを作成した。
結果と考察
 医療機関の外来機能の評価方法として、次の4つの視点を提言した。
①傷病の視点-疾患複雑性、疾患稀少性が高度外来機能の指標となる
②診療行為の視点-高額検査、高額薬剤、難度の高い外来手術が高度外来機能の指標となる
③患者の視点-外来機能の水準に応じた診療圏の大きさが指標となる
④地域の視点-外来における手術および重症傷病、稀少疾病の治療等の地域内シェアが地域外来機能の指標となる
 これらの成果は、地域における適切な外来診療機能の配置、医療資源配分、医療設備の配置等の地域保健医療提供体制の整備と充実に活用されることが期待される。また、外来医療費の適正化に本研究で示した外来機能の評価指標が活用されることが期待される。
 さらに、本研究の成果産物として、外来機能の評価の基準となる次の各種ポートフォリオ・チャートを作成し、提供した。
①医療機関の視点からの分析チャート集-主要疾病、医療機関機能分類、診療区分、診療行為等の視点からの多次元集計ポートフォリオ・チャート
②地域医療の視点からの分析チャート集-地域外来患者のプロファイリング、診療圏、外来患者シェア等の視点からの多次元集計ポートフォリオ・チャート
結論
外来診療データの集積と分析によって、外来診療が適切に評価され、外来診療の視点からの医療機関機能分化が進むとともに、地域に於ける外来診療の適切な連携体制が築かれ、我が国の外来診療を含めた医療の質と効率性の向上に寄与することが期待される。

公開日・更新日

公開日
2006-03-31
更新日
-

文献情報

文献番号
200500013B
報告書区分
総合
研究課題名
医療機関類型ごとの外来診療の実態把握と評価に関する研究
課題番号
H15-政策-026
研究年度
平成17(2005)年度
研究代表者(所属機関)
伏見 清秀(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医療情報システム学)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
質の高い外来医療を確保するため、施設類型別に診療内容等を把握・分析し、病院経営の合理化、病院機能評価の枠組みとしての活用などについて検討する必要がある。本研究では、現行の診療情報を活用した外来機能評価の方法論を開発し、地域レベルで質の高い医療を国民に提供するための医療連携のあり方とその方法論を明らかとすることを目的とした。
研究方法
外来機能の評価として、傷病の視点からDPCケースミックスシステムを応用した疾患稀少性複雑性分析、診療行為の視点から社会医療診療行為別調査個票による診療行為の発現パターンおよび医療機関機能、地域、疾病別の診療密度の分析を、患者受療の視点から受療距離分析としてGISを用いて受療時間の地域格差、診療科格差等の解析を、地域の視点から外来手術、重症症例治療の医療機関別地域シェアと外来機能の関係の解析を行った。さらに、これらの分析結果を多次元データベースに再構築し、レポーティングツールを用いて分析チャート・ポートフォリオを作成し、外来機能評価データブックを作成した。
結果と考察
医療機関の外来機能の評価方法として、次の4つの視点を提言した。
①傷病の視点-疾患複雑性、疾患稀少性が高度外来機能の指標となる。
②診療行為の視点-診療行為の発現パターン(基本診療のみ、検査主体、投薬主体、リハ主体等)から外来機能を類型化し、また高額検査、高額薬剤、難度の高い外来手術が高度外来機能の指標として評価する。
③患者の視点-外来機能の水準に応じた診療圏の大きさが指標となる。
④地域の視点-外来における手術および重症傷病、稀少疾病の治療等の地域内シェアが地域外来機能の指標となる。
また、これらの分析から、外来機能評価データブックとして医療機関の視点からの分析チャート集および地域医療の視点からの分析チャート集を作成した。
これらの成果は、地域における適切な外来診療機能の配置、医療資源配分、医療設備の配置等の地域保健医療提供体制の整備と充実に活用されることが期待される。また、外来医療費の適正化に本研究で示した外来機能の評価指標が活用されることが期待される。
結論
外来診療データの集積と分析によって、外来診療が適切に評価され、外来診療の視点からの医療機関機能分化が進むとともに、地域に於ける外来診療の適切な連携体制が築かれ、我が国の外来診療を含めた医療の質と効率性の向上に寄与することが期待される。

公開日・更新日

公開日
2006-03-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
200500013C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究の成果は、患者調査、レセプトデータ等、継続的網羅的経済的に収集されるレジストリデータに基づいて、傷病、診療行為、患者、地域の視点から外来診療を多角的総合的に評価する方法を示した点にある。本研究で示した外来機能評価手法は、汎用性が高く低コストで継続的に適用可能であり、地域における適切な外来診療機能の配置、医療資源配分、医療設備の配置等の地域保健医療提供体制の整備と充実に活用されることが期待される。
臨床的観点からの成果
 プライマリ・ケアの観点からは、糖尿病、高血圧、喘息等の外来診療感受性病態(ACSC)の入院率を指標とした外来機能の評価が、外来診療の質の地域差の把握とその解消につながることが期待される。専門的医療の観点からは、患者調査、レセプトデータ等のレジストリデータに基づく外来手術、外来画像診断等を指標とした医療機関単位の外来機能の評価が、機能的な連携と分担を促進し、外来診療全体質と効率性の向上につながることが期待される。
ガイドライン等の開発
特になし
その他行政的観点からの成果
特になし
その他のインパクト
特になし

発表件数

原著論文(和文)
1件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
4件
その他論文(英文等)
7件
学会発表(国内学会)
2件
学会発表(国際学会等)
9件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
伏見清秀
急性期入院医療の包括払い制度の仕組みとその適用
フィナンシャル・レビュー , 80 (1) , 33-73  (2006)

公開日・更新日

公開日
2014-05-21
更新日
-