健康で豊かな水環境を創造するための新しい水管理システムの可能性-その戦略的構築と支援技術開発

文献情報

文献番号
200401329A
報告書区分
総括
研究課題名
健康で豊かな水環境を創造するための新しい水管理システムの可能性-その戦略的構築と支援技術開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
山本 和夫(東京大学 環境安全研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 大瀧 雅寛(お茶の水女子大学大学院人間文化研究科 )
  • 岡部 聡(北海道大学大学院工学研究科)
  • 浦瀬 太郎(東京工業大学大学院理工学研究科)
  • 亀屋 隆志(横浜国立大学大学院工学研究院)
  • 高梨 啓和(鹿児島大学 工学部)
  • 長岡 裕(武蔵工業大学 工学部)
  • 伊藤 禎彦(京都大学大学院工学研究科)
  • 遠藤 銀朗(東北学院大学 工学部)
  • 尾崎 博明(大阪産業大学 工学部)
  • 津野 洋(京都大学大学院工学研究科)
  • 松井 佳彦(岐阜大学 工学部)
  • 湯浅 晶(岐阜大学 流域科学研究センター)
  • 渡辺 義公(北海道大学大学院工学研究科)
  • 北脇 秀敏(東洋大学 国際地域学部)
  • 小越 真佐司(日本下水道事業団)
  • 福士 謙介(東京大学 環境安全研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
16,440,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
水の大循環研究などに代表される世界環境の立場からの水環境の研究は、近年大学や研究所などで国際的な活動として精力的に行われてきた。しかし、厚生労働省が掲げている「健康で豊かな水環境」というのはそのようなグローバルな意味での水の健全な環境とは異なるコミュニティレベルでの水環境のことであり、それは安全で快適かつ豊かな親水空間、飲料水、雑用水などの提供のことを指す。その場合、その安全さや快適さの方向や程度を定義するのは国などの大きな単位ではなく、まさにその地域に居住しているコミュニティに属する市民であるべきである。しかし、コミュニティが主体となり、身近な水環境の管理を行うためには現在の浄水技術や管理手法では様々な技術的・管理学的な問題があり、まさにその方面の研究が必要とされている。本研究はこのような背景の中、コミュニティが主体となって水を管理可能なシステム開発とそのシステムを構成する要素技術ないしはモニタリング技術の開発を目標としている。
研究方法
平成15年度は個別技術の開発として、膜技術、新規消毒技術を主軸とした様々な要素技術開発研究を行うと同時に、国際ワークショップや国際シンポジウムを開催し、コミュニティレベルの水システムに関する知見を集積し、その実現に向けての問題点などを国内外の専門家の論議を通じて洗い出すという作業を行う。
結果と考察
小規模水循環系においてリスク起因物質が系に蓄積することを未然に防止するようなここの要素技術開発を行った。また、病原微生物に関しては膜による除去と消毒による不活化の両方から取り組んだ。さらに、最終年度であることを考慮し、最終的なプロジェクトの成果発表/意見交換の場として海外の著名な水管理関連研究者を4名(韓国、シンガポール、タイ、インド)に加え、本科学研究費補助金主任並びに分担研究者、その他の関連研究者を研究発表者として、国際シンポジウム(International Workshop on water management system for creating healthy water environment)を平成17年1月21日に(社)土木学会講堂で開催した。
結論
コミュニティレベルの水システムはそのストックの候補となる地下水の安全性監視にはまだ技術的な検証が必要であるが、様々な汚水の浄化技術などに関しては十分対応できる技術が育ちつつある。ただし、既存のインフラを活用しながら適宜小規模分散型のシステムの導入を考慮していくような柔軟な対応が必要である。

公開日・更新日

公開日
2005-07-01
更新日
-

文献情報

文献番号
200401329B
報告書区分
総合
研究課題名
健康で豊かな水環境を創造するための新しい水管理システムの可能性-その戦略的構築と支援技術開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
山本 和夫(東京大学 環境安全研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 大瀧 雅寛(お茶の水女子大学大学院人間文化研究科)
  • 岡部 聡(北海道大学大学院工学研究科)
  • 浦瀬 太郎(東京工業大学大学院理工学研究科)
  • 亀屋 隆志(横浜国立大学大学院工学研究院)
  • 高梨 啓和(鹿児島大学 工学部)
  • 長岡 裕(武蔵工業大学 工学部)
  • 伊藤 禎彦(京都大学大学院工学研究科)
  • 遠藤 銀朗(東北学院大学 工学部)
  • 尾崎 博明(大阪産業大学 工学部)
  • 津野 洋(京都大学大学院工学研究科)
  • 松井 佳彦(岐阜大学 工学部)
  • 湯浅 晶(岐阜大学 流域科学研究センター)
  • 渡辺 義公(北海道大学大学院工学研究科)
  • 北脇 秀敏(東洋大学 国際地域学部)
  • 小越 真佐司(日本下水道事業団)
  • 福士 謙介(東京大学 環境安全研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 水は有限な地球の財産であり、すべての人間の、また地球上すべての生物の共有財である。それが、現在、危機にさらされている。
 水の大循環研究などに代表される世界環境の立場からの水環境の研究は、近年大学や研究所などで国際的な活動として精力的に行われてきた。しかし、厚生労働省が掲げている「健康で豊かな水環境」というのはそのようなグローバルな意味での水の健全な環境とは異なるコミュニティレベルでの水環境のことであり、それは安全で快適かつ豊かな親水空間、飲料水、雑用水などの提供のことを指す。その場合、その安全さや快適さの方向や程度を定義するのは国などの大きな単位ではなく、まさにその地域に居住しているコミュニティに属する市民であるべきである。しかし、コミュニティが主体となり、身近な水環境の管理を行うためには現在の浄水技術や管理手法では様々な技術的・管理学的な問題があり、まさにその方面の研究が必要とされている。
研究方法
以上の考えから、平成14年度から3年間厚生労働科学研究費の助成により、コミュニティが主体となって水を管理可能なシステム開発とそのシステムを構成する要素技術ないしはモニタリング技術、またはそのシステムを成立させるための社会システム等を開発してきた。
結果と考察
本研究グループとして「コミュニティレベルの自律的水管理」を標榜し、それ以降、総合的なシステムの成り立ちを模索すると同時に、新しいシステムに対応する技術群の開発にも力を入れてきた。技術的な研究内容は高度に水を浄化するプロセスの開発と水を高感度かつ多角的に評価する方法の開発の二つに分類される。高度処理の分野は主にメンブレン、吸着、そして病原微生物を不活化させる消毒技術の開発にターゲットを絞っている。一方、水の評価面ではバイオアッセイを主な評価ツールとして開発を進めている。また、最終的なプロジェクトの成果発表/意見交換の場として海外の水管理関連研究者4名に加え、主任並びに分担研究者等を迎え、国際シンポジウムを開催した。
結論
コミュニティレベルの水システムはそのストックの候補となる地下水の安全性監視にはまだ技術的な検証が必要であるが、様々な汚水の浄化技術などに関しては十分対応できる技術が育ちつつある。ただし、既存のインフラを活用しながら適宜小規模分散型のシステムの導入を考慮していくような柔軟な対応が必要である。

公開日・更新日

公開日
2005-07-01
更新日
-