地域保健サービスの担当職員における連携評価指標開発に関する統計的研究

文献情報

文献番号
200401303A
報告書区分
総括
研究課題名
地域保健サービスの担当職員における連携評価指標開発に関する統計的研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
筒井 孝子(国立保健医療科学院福祉サービス部福祉マネジメント室)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
5,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、地域保健サービスの担当者の調整能力や交渉・折衝能力などの機関間および他の専門職との「連携」に関する能力を評価する指標を新たに開発し、その妥当性や信頼性を検証し、これらの評価得点と業務の実態との関係を統計的な手法によって明らかにすることを目的としている。
研究方法
市町村で働く保健師21631名のうち、13503名(62.4%)の保健師の回答を得、このうち不備のなかった12,982名の保健師の一般的な連携活動および固有の事例に関する調査結果を解析した。これらの分析の解釈に関しては、市町村現場で働く保健師らへヒアリング調査を実施した。これらのデータを基に連携活動能力評価尺度および業務負担感尺度を開発し、この得点と保健師の基本属性や市町村規模等との関連性を分析した。
結果と考察
保健師の担当領域は、「保健」(54.7%)、次いで「保健福祉」(29.7%)でこの他は、福祉や介護領域と示された。連携活動は、月に2-3回が最も多く、他機関、他職種と連携には個人差があった。これらの収集されたデータから連携活動能力評価尺度を開発し、構成概念妥当性、信頼性を検証した。この結果、連携活動能力評価尺度得点は、年齢が高いほうが高く、個別の事例よりも一般的な活動における連携活動得点は高いこと、部署や市町村規模別にも有意な差があった。また保健師の業務内容とその業務負担を評価する尺度を開発し、評価した結果、保健師は、業務負担の原因を「①業務環境の不備」や自らの「②能力の欠如」や「③業務量の過多」であると考えていた。さらに保健師の精神的健康度は、約40%が不健康と評価され、年齢が高いほど良好で、20,30代は低かった。
結論
地域保健サービスの担当者の調整能力や交渉・折衝能力等の機関間及び他の専門職との「連携」に関する能力を評価する「連携活動能力評価尺度」を開発し、その妥当性と信頼性を検証した結果、個人差だけでなく地域差、所属部署などによる差が示されたことは重要である。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-