地域の健康危機管理における保健所保健師の機能・役割に関する実証的研究

文献情報

文献番号
200401299A
報告書区分
総括
研究課題名
地域の健康危機管理における保健所保健師の機能・役割に関する実証的研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
宮崎 美砂子(千葉大学看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 牛尾 裕子(千葉大学 看護学部)
  • 春山 早苗(自治医科大学 看護学部)
  • 錦織 正子(茨城県立医療大学 保健医療学部)
  • 藤本 眞一(滋賀県湖南地域振興局 地域健康福祉部)
  • 松永 敏子(千葉県国民健康保険団体連合会 介護保険課)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
3,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、保健所を中核とする地域の健康危機管理において、保健所保健師の果たすべき固有の機能・役割を実証的に明らかにすることを目的とするものである。
研究方法
本年度は、過去2年間の本研究班の分担研究を補完する課題に取り組むこととし、地理的特性を踏まえた検討、保健所の企画調整の機能・役割の明確化、保健所の組織的対応と保健師の機能・役割との関連、保健師の視点を反映させたマニュアル作成、保健師が使用すべき健康危機管理チェックリストの必要性の検討、保健所保健師の現任教育のあり方、に関する分担研究を行った。またこの3か年の分担研究から産出した保健師の機能・役割に関する各知見を実践現場で活用できる活動指針の形で提示したいと考え、案の作成、関係者との協議による内容の精錬に取り組んだ。
結果と考察
へき地、人口密集地域それぞれの健康危機管理の特徴、保健所保健師の機能・役割を明らかにした。また保健所企画調整部門所属の保健師の健康危機管理に対する機能・役割の特徴、その機能・役割の基盤となる能力、重視すべき活動内容を明らかにした。また保健所の健康危機管理を円滑に推進することにつながる保健師の対応を明らかにした。また健康危機管理に対する保健所保健師の現任教育のあり方、保健師独自のマニュアルに盛り込むべき内容を明らかにした。またさらに、保健所保健師用に限定した健康危機管理チェックリストは基本的に必要のないこと、しかし保健師職能として基本となる活動指針作成の意義のあることについて明らかにし、実践現場で活用可能な活動指針内容を精錬させた。
結論
本年度は過去2年間の研究成果を踏まえ、補完調査を実施し、地域の健康危機管理における保健所保健師の機能・役割を体系的に集約するための資料を得た。また3年間の本研究班による分担研究成果から、健康危機管理に対する保健師職能としての基本事項を整理し、地域の健康危機管理における保健所保健師の活動指針の意義・内容を検討し、保健所保健師の現任教育のあり方を含むかたちで、その内容を精錬させた。

公開日・更新日

公開日
2005-05-10
更新日
-

文献情報

文献番号
200401299B
報告書区分
総合
研究課題名
地域の健康危機管理における保健所保健師の機能・役割に関する実証的研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
宮崎 美砂子(千葉大学看護学部)
研究分担者(所属機関)
  • 牛尾 裕子(千葉大学 看護学部)
  • 春山 早苗(自治医科大学 看護学部)
  • 錦織 正子(茨城県立医療大学 保健医療学部)
  • 藤本 眞一(滋賀県湖南地域振興局 地域健康福祉部)
  • 松永 敏子(千葉県国民健康保険団体連合会 介護保険課)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
保健所を中核とする地域の健康危機管理において、保健所保健師の果たすべき固有の機能・役割を実証的に明らかにする。
研究方法
詳細な事例調査を起点に、事例調査から抽出した知見の普遍性を検証するための実態調査、補完調査を実施し、(1)健康危機管理に対する保健所保健師等の活動実態、(2)健康危機の種別により特徴的な保健所保健師の機能・役割、(3)地理的特性により特徴的な保健所保健師の機能・役割、(4)地域の健康危機管理にかかわる保健所保健師の現任教育のあり方、(5)地域の健康危機管理における保健所保健師の活動に方向付けを与えるマテリアル、の観点から3年間にわたる分担研究の結果を集約した。
結果と考察
健康危機への対応は日常的に頻度高く経験する類の業務ではなく、平常時から健康危機に備えて知識・技術を高める創意工夫が極めて必要である。保健所保健師の機能・役割として重要となることは、健康危機発生時では初動期の情報収集・ニーズ把握、被害者を含む地域住民への相談支援体制の確立、応援者を含む支援関係者の総合調整、保健所の専門的広域的機能を活かした企画調整、平常時では市町村保健師との連携・協働による地域住民・関係者への予防教育の浸透、健康危機への対応評価に基づく健康危機管理体制づくり、地域住民との平常時からの関係づくりの促進等である。また感染症集団発生、自然災害、汚染物質の流出等の健康危機の種別並びにへき地、人口密集地域等の地理的特性によりそれぞれ特徴的な対応があり、その整理を行った。また健康危機管理に対する保健所保健師の現任教育のあり方の検討の結果、保健所や自治体職員としての健康危機管理研修に加え、保健師現任教育の一環で健康危機管理に対する保健師職能としての役割認識を深める教育プログラムの必要性が明らかになった。さらに保健所保健師の活動に方向付けを与えるマテリアルについて検討した結果、健康危機管理に対する保健所の組織活動が有効に機能するには、保健師職能としての基本能力の発揮こそが重要であり、保健所保健師の活動指針作成の意義があることを確認し、本研究班の成果物として活動指針を産出した。
結論
今後の追究課題として、保健所がもつ専門的技術的かつ広域的な機能を駆使した市町村保健師との連携・協働のあり方の検討、健康危機発生後の長期的な支援体制のあり方の検討が挙げられる。

公開日・更新日

公開日
2005-05-10
更新日
-